こんなにも低音を欲する曲って中々ないよ

今日の一曲-048

1988
BLACKENED / METALLICA
ブラッケンド / メタリカ

名曲を紹介する。

僕のメタル体験にとってメタリカは存在感があり過ぎて、もう好きとか嫌いとか語るのも無意味になりつつあります。

彼らの音楽を技術論やカテゴライズで語るコトが、僕にはもうできないんです。

なんとでもいえるし、なんだともいえない、って感じで、時代を切り開いてきたパイオニア達に共通する概念が彼らにも当てはまります。

メタリカのジャンルはメタリカだというコト。


いつ迄同じ路線を続ける?

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彼らの特徴の一つに、アルバム毎にその様相がかなり変わる、というコトがあります。

逆の例でいえば、AC/DCやモーターヘッド が挙げられますかね。

彼らは基本的にずっと変わらぬ良さを貫いたバンドといえるでしょう。

もちろん、マンネリを良しとしていたって意味じゃないんですよ、スタイルを変えなかったというコトね。

これはこれでとても大変な行為だと思いますし、多くのバンドはそれができずに苦しむコトだってザラにあります。

時代やトレンドが変わるのに同じスタイルを貫くのが如何に難しいか、何も音楽に限った話じゃないですよね。


でメタリカは、アルバム毎にどんどん無遠慮に変えるスタイル、なわけです。

無遠慮というか無軌道というか。「もう一枚くらいは同じ路線でアルバム制作してもいい作品になったんじゃない?」と感じるコトも珍しくないんです。

今回紹介する4thアルバム「…アンド・ジャスティス・フォー・オール」は、正にそんな感想を持ったアルバムでした。

前作にあたる歴史的超重要アルバム、3rd「マスター・オブ・パペッツ」が、スラッシーなスピード感とヘヴィ・リフの奇跡的成分比を実現していたのに対して、本作はその延長線上に位置するというよりは、より実験的な領域に踏み込んだイメージが強いでしょうか。

サウンドがマジでやばい

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ストレートな破壊力の追求ではなく、作品としての創り込み、構築美、の追求に舵を切った印象で、難解さへの挑戦ともいえそうな気がします。

単純に曲が長くなり、1曲に詰め込まれたアイデアの量がそれまでのアルバムに比べて格段に多いんです。

リフの多さ、リズム・チェンジの多さ、変拍子の多さが明らかに変化しています。

また賛否の大きく別れるサウンド・プロデュースの実験もかなり思い切った決断だったんじゃないかと思います。

今作のリズム・セクションのサウンドの意外性ったらハンパないんです。

いやハッキリ書きます、リズム・セクション・サウンドのダサさったらハンパない、のです。

あ、一聴しただけでは、って意味でね。

スネア・ドラムやバス・ドラムの音が当時の時点でかなりチープでしたし、何より「マスター〜」の音でいいじゃんって感じずにはいられません。

ベースに至っては、ほぼ聴き取り不可能なほど、レベルが下げられています。

つまり全編にわたって、歌とギターとドラムしか聴こえないんですね。

最初の感想は、ナニコレ?だったな。

ジェイムズ、そりゃないぜ

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これにはいくつかの理由があって1番大きな要因は、バンドの中心的存在だったベーシストのクリフ・バートンが、「マスター 〜」ツアーの移動中、事故死してしまったコトでしょう。

つまりこのアルバムから2代目ベーシスト、ジェイソン・ニューステッドにメンバー・チェンジしているんです。

彼のライヴにおけるパフォーマンスはいつもエンジン全開で最高だし大好きなプレイヤーなんですけど、このアルバムで彼の演奏は使われていません。

ギタリストのジェイムズが録ったベース・トラックが採用されているのだとか。

メンバーを失った苦痛からくる動揺や、それでも前進しなくてはならない宿命めいた決意が入り混じる中制作した結果、出てきたのがこの難解なアルバムだったというわけです。

いい意味でも悪い意味でも、とにかく普通じゃない。

今では3周くらい回ってこのアルバムは大好きになりました、まあ主にギターを聴いて楽しむコトにしたんですけどね。

ソロよりも、リフ・ワークがいいんですよね(ごめんね、カーク)。

時間に余裕があったら、関連記事のリンクから是非前作のリーダー・トラックである「バッテリー」を聴いてみてください。

音の違いに驚きますから。

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最後に

メタリカは続く5th「メタリカ(通称ブラック・アルバム)」を発表後、セールス面で世界的成功を手にします。

アルバムの完成度は格段に上がり、いわゆるメタリカ節もほぼ完成に至ります。

しかし同時に、スラッシュ・メタル的な攻撃性や過激さを捨てていった流れでもあります。

「世界のメタリカ」になってからの曲もいずれ紹介したいと思っていますが、この爆発前夜、地の底から復活し這い上がろうと足掻いていた彼らの叫びは、何物にも代え難い魅力を放っていると思います。

苦しみを伴った魅力を。■■


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