1990年代におけるメタルの突破口

今日の一曲-039

MOUTH FOR WAR / PANTERA

さて、パンテラについてもう少し知っておいてもらおうと思います。彼らは元々LAメタルみたいな音楽性だったところを、ある時完全に見切りをつけてガラリと方向転換をした結果、シーン全体を牽引するようなビッグ・バンドにのし上がった、珍しい経歴をもっています。


またその方向転換した先が、なかなかにブルータルで硬質なイメージでした。これがグランジ登場以降硬直しかけていたHR/HMシーンに、モダン・ヘヴィネス(グルーヴ・メタル)の潮流を生み出した功績は計り知れない、と思います。その起爆剤となったアルバムのリーダー・トラックがこの曲でした。

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前作で大きく方向転換をしたベクトルを更に洗練し、奇跡的な完成度まで持ち上げたわけなんですけど、アルバム一曲目のこの曲を聴くだけで説明など吹き飛んでしまうんじゃないでしょうか。曲構成もさることながら、サウンドの作り込みにもコダワリを感じます。

 バス・ドラムのアタック音を強調した音像は、粒立ちを極端に際立たせ乾いた雰囲気を醸しながら、バンド全体にグルーヴィな味付けを施しています。

この曲に限らず、パンテラは全員の一体感が凄まじいんです。音の塊となって、重たいハンマーを振り下ろすが如く、ビートを聴く者のハートに打ち込んでくる感じです。フィルの歌声、咆哮も野生的で、一度聴いたら忘れられない個性を持っている、と思います。彼の歌もまた、実にグルーヴィだと感じませんか。身体が動き出しそうになるんですよね。

このアルバム、名曲揃いなので、まだまだ紹介したいのです。遠慮なく同アルバムからも選曲する予定ですので、まっててください。■■


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