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3人の変態が、最高の創造と破壊を聴かせてくれる

今日の一曲-025

CAFO / ANIMALS AS LEADERS

変態音楽、って呼んでいる音楽的ジャンルがあります。僕がそう呼んでいるだけなんですど、割とHR/HM界隈では通じる言葉じゃないでしょうか。


古くはプログレッシヴ・ロックの誕生期から表面化したシーン、じゃないかなと思います。クラシック界隈でいえば、現代音楽とか前衛音楽、などといわれるケースもあるかもしれません。伝統的な音楽理論を踏襲しつつも、その構造を破壊したり再構築したりする事で新たな音楽世界を生み出す、といういい方をすればロックは全てその精神性を持っているといえそうですね。でも僕が変態音楽と呼ぶ作品群は、破壊や再構築の「程度」が違うんです。

はたしてコレは音楽だろうか?

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そう思えるものがあるとして、それって既成概念や伝統的ルールを破壊し再構築した結果ではないと、いい切れるのか、いやいい切れないと僕は思うんですねう。スラッシュ・メタルやグラインド・コアがシーンに登場した時にも、同じような事がいわれました「これは音楽なのか?」と。

 今となってはスラッシュ・メタルは凄く音楽的に聴こえるし、グラインド・コアを音楽と呼ばずして何と呼ぶのかなんて議論を持ち出す人もいないんじゃないかと思います。音楽、とりわけロックやメタルのシーンは進化を続けて、リスナーの耳も感性も同様に成長したんでしょう。そうやって、作品を生み出すアーティストと受け手のリスナーとが相互に影響し合い芸術の世界観を拡大していくのって、とっても文化的というか人間らしくて素晴らしいなって思うんですよね。ゾクゾクするような緊張感と楽しみが、そこには含まれると思います。

メタルの世界を広げた音

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アニマルズ・アズ・リーダーズの作品を初めて聴いた時、僕はまたメタルの世界が広がったと感じました。編成はリード・ギター×2とドラムス×1の3ピースバンドで、作品はインストのみ。ただね。もう出音そのものが強烈な個性にコーティングされてるんです。ベースがメンバーに含まれていない事は音圧の減退に繋がっておらず、脅威の8弦ギターで2人のギタリストが、目まぐるしくリードと取り合うような感じ。全曲ギター・バトル、みたいな。

 そうとはいいつつも、メイン・ライターはリーダーのトシン・アバシで、彼の音楽世界を再現しているのがこのバンドといえそうです。彼は技術も変態的ですが、やはり音のセンスが変態的で魅力的だと思います。ギターってこういう楽器だったっけ?と感じませんか。

 既成概念に囚われていた自分を再発見する旅が、このバンドの音楽を聴く行為といえるかもしれません。

 ただインパクトだけを追い求めてエキセントリックなプレイをしている、とは思わないでくださいね。しっかり咀嚼して飲み込んでみて欲しいです。僕的にオススメなのは、彼らの音楽は瞑想に向いていると思うから、目を閉じてヘッドホンで外界の音をできるだけシャットアウトして、心静かにして聴いてみて欲しいのです。ちょっと煩いと感じる部分もあるかもしれませんけど、自分内部に気持ちをゆっくり降下させるようなイメージで、4分程の時間を使ってみてください。

最後に

僕、スピリチュアルな趣味や考え方には全然明るくないです。だからそういう風に考える事って稀なんですけど、彼らの作品はスピリチュアルな何かを感じるような、不思議な気持ちにさせられるんですよね。■■