レイン・ステイリーの神経質ぽい爬虫類顔が最高だったアリス・イン・チェインズ
今日の一曲-049
1992
WOULD? / ALICE IN CHAINS
ウッド? / アリス・イン・チェインズ
オルタナ、グランジの話。
1990年代の潮流は突然現れた変異種ではなかったと思います。
1980年代にも存在し作品を発表していた原石が、同時多発的に次々と輝きを増したんですよね。
彼らは音楽性を変えたのではないんです、磨きをかけはしたけれど。
1990年代を語る時に、最も個性的なアルバムを僕が選ぶとすれば、この「DIRT」かなって思っています。
このアルバムを初めて聴いた時のコトはよく覚えています。
アルバム全体を貫くのは「上品な暗さ」だと思うんですよね。
演奏自体は僕が慣れ親しんでいたメタルの方法論とさほど違わないと思います。
ヘヴィでラウドなロック、と言葉にすればあまりにチープだけど、歌を含めたアンサンブルが唯一無二の個性を表現していると思うんですよね。
変拍子も多いし。
歌メロにまずはヤられました
Embed from Getty Images前作からこの味わいはあったものの、本作では更にハーモニーが練られていて、物悲しいくも鋭さも隠し持ったイメージが次々と繰り出される感じ。
更に「ここでそうくる?!」と感じさせられるような、意外な展開が随所に現れるんですが、 コレがたまらない。
また歌メロと合わせて、レイン・ステイリーの声が超個性的ですよね。
低音から中音域は、独特の響き方をします。
ハイトーンではないながらもなかなか高い音も出せて、激しく歌うコトもあります。
だのになぜか僕は、いつも冷たさを感じます。
冷たさというか、虚無感というか、覗いてはいけない深淵に流れる歌声とでもいえばいいのか、筆舌に尽くしがたいネガテイブな印象を感じてしまうんですよね。
なのに繰り返し聴いてしまうのはなぜか。
それこそ、音楽が持つ不思議な力、としかいいようがないんです。
あと音に全く関係ないけど、レイン・ステイリーの神経質そうな爬虫類顔が僕は大変好みだ。
しかし残念なことに、2002年に彼は亡くなっています。
おそらくオーバードーズだと言われているけど、真相はわかりません。
最後に
この曲はアルバムの最後に収録されています。
もし少しでも気に入ったなら、是非アルバムの最初から最後まで聴いてもらいたいですね。
本当にとんでもない作品なので。
あとこの曲は、映画「シングルス」にも提供されたんでした。
恋愛についての群像劇ながら、シアトリカルな場面や設定が多く、オルタナ、グランジのファンは必見作品。
サントラがそのテのアーティストだらけで、オルタナ、グランジのサンプラーとしても質が高いと思います、一家に1枚的な。■■
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