【ウィ・オール・フォール・ダウン / ブルー・マーダー】ジョン・サイクス(殿)の歴史を振り返っとくか

We All Fall Down from Nothin’ But Trouble / BLUE MURDER (1993)

ジョン・サイクス(殿)です。

HR/HMファンなら誰でも知ってるかもしれないですね。

僕が大好きなギタリストの一人で、シンガーとしても大好きです。


彼の事を書き出すとそれはそれでなかなかの長文になってしまう気がしますから、まずは彼の作品の中でも比較的新しい方の曲を紹介しようと思います。

とはいえこのアルバムは1993年発表だから、えっと27年も前(あ、ちょっと眩暈がしてきた)。

経歴からして男前

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ジョン・サイクスは19歳の時、イギリスのタイガーズ・オブ・パンタンというバンドにスカウトされプロデビューします。

このバンドでNWOBHM全盛期を経験したサイクスは、オジー・オズボーンのバンドに加入するべくオーディションを受けるために同バンドを脱退するんですね。

そもそもそれが凄いけどね。

オーディション受ける為に、きちんとスジを通すその男気は本物だと思うか変わり者と見るか。

退路を断って挑戦する、なんて言葉でいう程簡単なコトじゃないとは思いますよ。

後の様々なエピソードが彼の人間性を物語っています。

ところがそうまでしたけど、残念ながらサイクスはオーディションに落選してしまいます。

そんな彼を、1970年代に活躍したアイルランドのバンド、シン・リジィが拾い上げます。

この頃シン・リジィは既にピークを過ぎた伝説的バンドと化していたそうです。

でもサイクスが1983年に参加した、12作目にして最後のスタジオ・アルバム「サンダー・アンド・ライトニング」は、素晴らしい出来栄えでした。

ツイン・ギターの編成で、もう一人のギタリストであるスコット・ゴーハムとの熱いプレイが胸を打つ傑作だと思います。

シン・リジィについてはいずれ必ず紹介するから待っててくださいね。

そのシン・リジィも1983年に解散します。

シンデレラ展開からの解雇

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でここからがまた凄い展開が待っていました。

デイヴィッド・カヴァデールにスカウトされ、今度はホワイトスネイクに加入してしまうんです。

なんというか、シンデレラ・ボーイ過ぎて飽きれる、いや勿論彼の素晴らしいギター・プレイあってこそのキャリア・アップなんですけど、こうもトントン拍子でビックネームになっていくのは、なかなか珍しいんじゃないかなって思います。

そして1987年、HR/HM界隈のみならず世界的な大成功を収める名盤「ホワイトスネイク(白蛇の紋章~サーペンス・アルバス)」が発表されます。

このアルバムはビルボードチャートにおいて、マイケル・ジャクソンの『Bad』に次ぐ最高2位といいますから、どれほどの勢いがあったのか判ると思います。


ところが諸説ありつつもとにかく、このアルバム制作に参加したメンバーは全員アルバム発表を待たず、デイヴィッド・カヴァデールに解雇されてしまいます。

これは後のインタビューで双方の言い分が食い違っていますので、真実は闇の中、なんですよね。

ただ解雇劇のあとデイヴィッド・カヴァデールは、HR/HM界隈のスーパー・スターを集めたヒーロー・バンドを編成して、その後のワールド・ツアーを大成功させたのは事実です。

この件についてジョン・サイクスは、数々のインタビューでデイヴィッド・カヴァデールを非難しています。

ホワイトスネイクについてはいずれ必ず紹介するから待っててください。

そのホワイトスネイクも1990年に一旦は解散します。

この世界も盛者必衰の理からは逃れられないんですね。

遂にBLUE MURDER爆誕

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で、ですね。

そんな不本意な扱いを受けたジョン・サイクスが自分の実力を誰にも邪魔されず示す為に結成したバンドが「ブルー・マーダー」です。

ふうココまで長かった、よくついてきてくれましたね。

1st「ブルー・マーダー」は1989年に発表されました。

すごいでしょ、1980年代だけでこんなにも出来事が起こってるんですよ。

もちろん他のバンドでも様々な事件や名盤が生まれていたわけですから、1980年代が如何にスリリングでエキサイティングだったか、っていう話ですよね。


結成当時は3人編成だったこのバンドは、続く1993年の2nd「ナッシン・バット・トラブル」で4人編成でレコーディングされています。

2枚のアルバムは、ここまで華々しいキャリアを積んできたサイクス節が炸裂する最高の出来栄えだった、んですけど、残念ながら商業的成功には結びつかなかったんです。

時は既にグランジの時代を迎えてて、HR/HM冬の時代に突入していたんです(ニルヴァーナの2nd「ネヴァー・マインド」は1991年発表)。

そんな背景もあって、HR/HM史上でのみ語られる事が多いブルー・マーダーなんですけど、今聴いてもこの音は素晴らしいと思うんですよ。

このギター・プレイに、この歌唱力、そしてルックス、ってもうロイヤル・ストレート・フラッシュなんです。

時代に翻弄された名ギタリストが、1990年代にどれほど姿を消しかことか、今となっては遠い昔の出来事みたいです、いや本当に遠い昔なんですけどね(あ、ちょっと眩暈がしてきた)。

最後に

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サイクスはこのアルバムを発表後ブルー・マーダーを解散させてソロ名義の活動に移りましたが、正直その内容は迷走していたなと感じます。

1990年代はあまりに過酷だった。でも僕は、この2ndを繰り返し何度も聴いていました。

大好きだった。

お。気が付けば、やっぱり長文になってしまいました。

サイクスの歴史の回でしたね。

今後もブルー・マーダーは紹介したいですね。

あと、シン・リジィとホワイトスネイク。

この2バンドも名盤、名曲が多すぎて気が遠くなるほどだけど、楽しみにしててください。■■