非メタルリスナーにアイアン・メイデンのすっとこどっこいリズムが持つ不思議な魅力を伝えたい件

1984
2 Minutes To Midnight / IRON MAIDEN
2 ミニッツ・トゥ・ミッドナイト / アイアン・メイデン

意外にメイデンの話題を扱っていないな、と思ったので書こうと思います。

この曲を今更紹介するのだとすれば、HR/HMを聴かない方々に向けた内容という事になるかと思います。

HR/HMリスナーで知らないハズはない超有名曲で、1984年に発表された5th「パワー・スレイヴ – PowerSlave -」に収録されており、LIVEで大変盛り上がる曲です。

メイデンはNWOBHMの潮流における中核バンド。

パンク以降、ダサい存在だった(過去形)メタルやハード・ロックに、再度目を向けさせるコトに成功した数少ない成功事例です。

さてメイデンは、メンバー・チェンジの激しいバンドとして有名で、ざっと並べるだけで以下の感じ。

  • ヴォーカリスト:3回
  • ギタリスト:3回
  • ドラムス:1回
  • サポートキーボード:1回

バンドの「顔」たるヴォーカリストを換えちゃうとか、なかなかリスキーなコトをやってくれるわけですが、HR/HM界隈でメイン・ヴォーカリストの交代劇というのはちょいちょい起こっていますよね。

ジューダス・プリーストとかアンスラックス、ヴァン・ヘイレン、モトリー・クルー、あたりは有名です。

でまあ交代が上手くイケばいいんですけど、必ずしもそうはならない、というか概ね良くないわけです。

ところがメイデンの最初のヴォーカリスト交代は、後の大成功に結びつく采配でした。

ブルース・ディッキンソンの変な個性が際立っている

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デビューから2ndのレコーディングまでメイン・ヴォーカルを努めていたポール・ディアノは脱退後「キラーズ」というバンド組んだりして音楽活動を続けてはいるけど、正直脱退以降はパッとしない印象です(ファン諸氏すみません)。

後任としてメイデンに参加したブルース・ディッキンソンが、1980年代~1990年代初頭までの大成功黄金期を迎えるにあたって重要な役割を果たしたコトは疑いようもない、と思います。

ポール・ディアノがどちらかといえば吐き捨て型のアグレッシブなパンク寄りのヴォーカル・スタイルだったのに対して、ブルースはいわゆるハイトーン野郎で、微妙にフラットする癖はありつつも「メタル然」としたパフォーマンスで人気を博します。

客観的にいって、彼は「爆裂に上手い歌い手」ではありません。

「個性派」です。

メタルの世界で一番光り輝く声、という言い方でもいいかもしれませんね。

技術的に上手なヴォーカリストがメイデンの曲を歌っても、多分カッコ良くならない気がします。

ブルースの歌い回しは独特です。

「おや?音程どうなった?ん?んんん?」と思うコトもあったりするのですが、LIVE音源を聴くとなんだか無茶苦茶カッコいいんですよね。

特にヴォーカル・ラインが変わったというワケではないのに、格段に良くなっています。

彼の声はLIVEで一番映える感じ。

いってしまうと、世界的に人気のあるバンドは大抵そんな感じなんですよね。

でもどこか「ちょっとだけヘン」な感じは残りますが、もうそこが魅力なのかなあと。

さてヴォーカリストの話を延々と書きそうなところ、今回お伝えしたかったのはブルースの話ではありません(おい)。

ドラムスのニコ・マクブレインです。

ニコが繰り出すコミック・フィル・インの唯一性

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彼は、ブルースが加入した3rdアルバムから遅れるコト1枚、1983年発表の4th「頭脳改革 – Piece Of Mind -」でメイデンに加入しています。

前任のクライブ・バーのプレイはそれなりに味わいがありましたが、バンドの楽曲が要求する技術レベルに、ほんの少し足りていない印象がありました。

スタジオ・レコーディングでありながら、どんどん走っていってしまうプレイは、今聴いても毎回不安な気持ちになります(それが味だとも言えますけども)。

メイデンは4thアルバム発表まで、毎回何かしらのメンバー・チャンジをしていたコトになりますね。

まあ色々実地で調整していったんでしょうね。

スティーブ・ハリスの心中お察しお察し、って感じ。

ニコは今でもメイデンで活躍していますから、もう40年近く経っちゃってる。

経っちゃってるー。

彼のプレイは僕もLIVEで体験済です。

ニコのプレイってね、ちょっとダサいプレーが最大の魅力だと思うんです、あーいっちゃった。

クレバーなプレイだとか、テクニカルなプレイ、という印象じゃないんですよね。

だからといってつまらない下手なプレイでもありません。

んー。

なんというか「味のあるプレイ」って表現しましょうか。

フィルを言語化してみる無謀

具体的にどういうコトかっていうと、フィル・イン(オカズ)のフレーズがどこかコミカルで、ちょっとだけ笑いを誘う、っていうか。

「ットコ・トントン スットントン」

「スットントン ットコ ットコ」

「ドットコ ドットコ トン・スタトン」

言葉にするとこんな感じだと思います。

伝わるかな、ギリギリ伝わりそう?

フレージングがちょっと古い、いや「古さ」だけじゃないですね、やっぱりコミカルさが混じりこんでいる気がします。

「ここはキメなきゃきけないブレイク」とかで、なんだかドラムだけほんのりズレてたりして(「えっ今のマジで?」って思うコトしばしば)。

バンドとしては上質なメタルを提供していながら、各所にコミカライズされた要素が見え隠れするのが、メイデンの味だと思います。

ここでブルースの「歌」もまた、「ちょっとだけヘン」であるコトが呼応してくる、っていうね。

メイデン節として話題にされがちなのは、やはりツイン・リードのギター・プレイだったり、大作主義の楽曲構成だったりします。

バンド・メンバーとしては後発のブルースやニコが作った「メイデンらしさ」はコミカルさの付加で、その親しみやすい雰囲気や音がメイデンの世界的成功の鍵だったのでは、と思っています。

かなり大胆な意見?。

どうでしょう、ちょっと興味湧いてきた?

メイデンの、ちょっとヘンでちょっとだけダサい感じ聴きたくなってきた?

もしそう思ってもらえたのなら、この記事の目的は達成できたってコトですね。

そも、メイデンを聴いた経験のない人が当ブログを読む可能性が極めて低そうですが。

新しい曲だと、この曲もいい味わいに溢れているなと思いました。

最後に

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念おため書いておきますが、僕はメイデン好きなんですよ。

アルバム全部板で持っていますからね。

なぜだか自分でもわからないんですが(おい)。■■


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2021年9月7日HR/HMエッセイ,おすすめの曲Iron Maiden,NWOBHM

Posted by tsuyoshi