【厳選】美女で野獣の歌姫、女性メタル系ヴォーカリスト13選

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HR/HMまたはそれらのサブジャンル的に派生し、大きなムーヴメントにまで発展した音楽の世界観は、かつて多くの男性ミュージシャンによってその地平を切り開かれてきました。

それは、社会全体の女性に対する扱いや立場といった文脈が少なからず影響していた事は想像するに難くありません。

しかし近年、とりわけ2000年以降は目立って女性のエクストリーム系ミュージシャンの活躍が顕著です。

彼女達は突然変異的に2000年以降「突如現れた」のではなく、メディアやシーン自体の受け容れる準備が整っただけなんじゃないかと思います。

本エントリではほんの一部だけではありますが、エクストリームで超カッコイイ女性ヴォーカリストを紹介したいと思います。

Maria Brink / IN THIS MOMENT (2005~)
マリア・ブリンク / イン・ディス・モーメント

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才女マリア・ブリンクをメイン・ヴォーアルに擁するカリフォルニアのメタルコア・バンド、つーかゴシックやインダストリアルや様々な音楽性を表現するグループ。

日本ではあまり知名度が高くない印象ですが、アメリカでは爆裂売れまくっています。

アルバム毎に挑戦的な実験を繰り返してきた彼等の各作品に共通するのが、マリアの異才。

ビジュアル含め、神々しさと悪魔的頽廃感を同時に感じるような、独特の雰囲気を纏った女性です。

グロウルでゴリゴリに吠えるタイプでは全然ありませんが、コレはコレでエクストリームな良さがあると思いませんか。

未聴の方はアルバム単位で是非お試しあれ。ハマりますよ。


Tatiana Shmailyuk / JINJER (2010~)
タチアナ・シュマイユック / ジンジャー

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ちょっと変わり種、ウクライナ出身2010年結成のメタルコア・バンド。

メタルコアとはいいつつ、かなり幅広い音楽性を表現しており、R&B、ソウル、ファンク、ジャズ、レゲエ、ジェントなど多彩な音楽性をとり込んだ、プログレッシヴなスタイルのバンドなんですよ。

デビューは2014年ですから7年選手でして、3枚のフルアルバム、3枚のEP、1枚のライブ・アルバムを発表して精力的に活動を続けています。

クリーンもスクリームも器用に使い分けるヴォーカル・スタイルで、どちらの歌唱もクオリティが高く安心して聴いていられますね。


Eva Korman / ROLO TOMASSI (2005~)
エヴェ・コーマン / ロロ・トマシ

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ある意味で一番ヤバくて一番ハマるとクるのがこのバンド。

イギリスはシェフィールドで結成されたハードコア・バンドです(筆者としてはグラインド・コアの味わいを感じています)。

バンド名は映画「L.A.コンフィデンシャル」からの引用ですね。

非常にテクニカルな楽曲を創っているグループで、単一のカテゴライズはなかなか難しい音楽世界を表現しています。

ヴォーカリストのエヴァ・コーマンは、クリーンのハイ・トーンも歌えるシンガーで、楽曲もスクリーモやメタルコア的アプローチから、プログレッシヴ・メタル、ジャズ、果てはアンビエント、シューゲイザーといった領域にまで踏み込んでいます。

まあつまり何が飛び出すのか判らないビックリ箱です。

是非アルバム単位で一聴あれ。


YuuriBjoux, Erica / FAKE ISLAND (2017~)
ユーリ・ビジュー, エリカ / フェイク・アイランド

日本からも紹介ですよ。

2017年結成の女性ツイン・ヴォーカルを擁するメタル・バンドで、クリーンとグロウルの対比が特徴的なグループです。

結成時点から、BUTCHER BABIESなどのバンドに刺激を受け「女性ヴォーカルであること」を前提にメンバー構成を考えていたそうで、「この感じ」を狙っていたって事ですね。

デビュー後精力的に国内でツアーを展開し、2019年にはヨーロッパ・ツアー、アジア・ツアーへと活動のエリアを着実に拡大している、要注目の彼等。

トランス系のデジタル・サウンドにも接近しており、日頃メタルを聴かない層にもアピール出来そうです。


Heidi Shepherd, Carla Harvey / BUTCHER BABIES (2009~)
カーラ・ハーヴェイ, ハイジ・シェパード / ブッチャー・ベイビーズ

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でフェイク・アイランドが影響を受けたというのが、カリフォルニアのメタル・バンドである彼等。

バンド名は、かの伝説的パンク・バンド「プラズマティックス」の曲名がベースですが、プラズマティックスの情勢ヴォーカリストであったウェンディ・O・ウィリアムズを強烈にリスペクトしている事を公言しています。

アメリカでのチャートでもしっかり結果を出しており、ヘヴィ・メタル~スラッシュ・メタル~グルーヴ・メタルからの影響下にありつつも、ニューメタル、メタルコア、のスタイルを上手くミックスする事に成功しています。

スクリームが比較的クリーンな印象で聴きやすいのが良いですね。


Caroline Westendorp / THE CHARM THE FURY (2010~2018)
キャロライン・ウェステンドープ / ザ・チャーム・ザ・フューリー

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オランダはアムステルダムのメタル・バンド。

2枚のスタジオ・アルバムを残して2018年に解散してしまっているグループですが、なかなか質の高いメタルコアを聴かせてくれていました。

キャロライン・ウェステンドープは、アンジェラ系のなかなかドスの効いたグロウルを聴かせてくれますが、彼女の武器はしっかりメロディを歌っている時の歌唱です。

サビ辺りに持ってくるクリーン・ヴォーカル・パートでは、美しくも太くてヘタることのない声を聴かせてくれます。

このバンドの最大の魅力はやはりこの声でしょう。


Morgan Lander / KITTIE (1996~)
モーガン・ランダー / キティ

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ヴォーカリストのみならずメンバー全員が女性というカナダの古参メタル・バンド。

彼女達はいわゆる「ニュー・メタル・バンド」としてそのキャリアをスタートさせましたが、やがてそのスタイルを捨て、1980年代~1990年代のヘヴィ・メタル、スラッシュ・メタル、初期デス・メタルの方向性に歩み寄って行った珍しい歴史を持っています。

ヴォーカリストであるモーガン・ランダーの、メタル然とした唄い回しやスクリームは最高にカッコいいうえに、クリーン・ヴォーカルのスタイルでも伸びのある美しい歌唱を聴かせてくれます。

スラッシュ・メタル的なリフを主体にした曲もあり、オルタナティヴ・ロック的陰鬱を持った曲もあり、表現されている世界観の幅は広いバンドですね。

2011年以来新しいアルバムは発表されておらず事実上活動休止状態なので残念です。


Vicky Psarakis / THE AGONIST (2004~)
ヴィッキー・プサラキス / ジ・アゴニスト

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今となっては、アーク・エネミーのヴォーカリスト「アリッサ」の古巣バンド、として知られる事が多くなってしまったカナダのバンドですが、アリッサ脱退後も活動を継続

アリッサ脱退後2014年に後任のギリシャ系アメリカ人・ヴィッキー・プサラキスが加入、アリッサ同様スクリームとクリーンを使い分けるヴォーカル・スタイルで楽曲を発表し続けています。

アリッサのグロウルに対してヴィッキーはスクリーム、スクリーチというイメージ近く、楽曲の方向性もやや改変された印象がありますね。

筆者などはヴィッキーのクリーンが好きだったりしますが、パワフルなヴォーカルは迫力充分です。


Ayumu / SERENITY IN MURDER (2009~)
アユム / セレニティ・イン・マーダー

2021年にまさかの大復活を遂げた日本のメロディック・デス・メタル・バンドで、バンド名はかのスレイヤーの曲名から。

2009年結成後、メンバー・チェンジの激しいグループでオリジナル・メンバーはリードギターのFreddyしか残っていませんが、彼が作ればこの音になる、っていう事なんでしょうね。

2021年になって2017年以来4年ぶりの新作が発表、メイン・ヴォーカリストがAyumuに代わっています。

キーボードを取り入れた美醜のコントラストを強調した楽曲は、メロデス・リスナーは避けて通れないでしょう。

ギターの泣きっぷりが最高で、ニュー・アルバムの出来栄えも超クールですよ。


Simone “Som" Pluijmers / CEREBRAL BORE (2006~2014)
シモーネ・"ソム"・プルイマーズ / サリーブラル・ボア

一部の界隈では超有名な、スコットランド産のブルータル・デス・メタル・バンドです。

オランダ人ヴォーカリストのシモーネ・"ソム"・プルイマーズは、バンド参加時18歳で、そのクオリティの高いガテラル、ピッグ・スクイールで存在感をアピールしました。

楽曲自体はかなりテクニカルなうえに「何をやっているのか判る」バンドでして、バンド全体で聴きどころがとても多い グループでした。

このバンドも残念ながら2014年で解散してしまっていますが、今聴いても楽曲のオリジナリティは際立っていますよね、あーもっと聴きたかった……。

シモーネは脱退後、「Your Chance To Die」というデス・メタル・・バンドに加入し女性ツイン・ヴォーカルウのスタイルで活動を続けていましたが、2018年に脱退しています。

2人とも凄まじいグロウルで、インパクト絶大だったんですけどねえ。


Алиса / FROM US TO SUNSET (2008~2010)
アリス / フロム・アス・トゥ・サンセット

2008年、ロシアはモスクで結成されたデス・メタル・バンドです。

結成初期はメロディック・デスの方向性だったバンドは次第に楽曲が先鋭化、テクニカル・ブルータルな形に変化しましたが、この状態はとても個性的で最高です。

フルレンス・アルバムは存在しておらず、数曲入りのEPを3枚残すのみですが、その存在感は強烈ですね。

筆者も思い出しては、ついつい聴いてしまう不思議な魅力を感じていますが、アリスの声とパフォーマンスに惹かれているんでしょう。

グロウル、スクリーム、ピッグ・スクイール、などの様々な声色を使い分け、しかしどこかクールなままでいるビジュアルが、脳裏に焼き付いています。

ちなみに、リフもかなりスラッシュぽくてカッコいいので、音源を是非手に入れてください(どうにかして)。


Laura Nichol / LIGHT THIS CITY (2002~)
ローラ・ニコル / ライト・ディス・シティ

何度か解散と復活を繰り返しているサンフランシスコ、ベイアリアのメロディック・デス・メタル・バンドです。

いわゆるアーク・エネミー・タイプのバンドで、ヴォーアルのスタイルもアンジェラの頃のソレに近い印象でしょうか。

アーク・エネミーと比べれば、リズムはよりデス・メタルの世界観に近く、ブラスト・ビートも頻出、フォーマットとしてはよりデスに接近しつつ、楽曲のイカセどころはギターの哀愁メロという部分も含めて、アーク・エネミーぽいです。

ツイン・リードの泣きメロ・ギターもスつが高く、安定した楽曲を発表してくれています。


Mallika Sundaramurthy / ABNORMALITY (2005~2020)
マリカ・スンダラムルシ / アブノーマリティ

マサチューセッツはボストンのデス・メタル・バンドで、残念ながら2020年11月に解散しています。

ヴォーカリストのマリカ・スンダラムルシーは、このジャンルにおいては良い意味になる「ヌケの悪いグロウル」を聴かせてくれますが、方向性としてはカンリバル・コ-プス寄りのオールド・スクール・デスの印象が強いですね。

このテの楽曲が好きなリスナー(筆者含め)からすると、手堅い作風で味わい深いデス・メタルなのですが、こうした個性というのは一歩引いて見てしまうとその差が「微差」なので、個性の獲得が難しいとも言えます。

オールド・デスというニッチな世界で生き残るのはとても困難な道なんでしょうね。

15年間お疲れさまでした。


最後に

いかがでしたでしょうか。

既に解散していて残念なグループもいくつか混じりましたが、筆者が愛してやまないエクストリーム・ヴォーカリストの女性を13人ご紹介いたしました。

ミュージシャンを性別で区別する必要などないと思いつつ、タフな音楽世界を表現している女性はカッコいいと感じてしまうんですよね。

レアなグループも紹介しましたが、気になるヴォーカリストは見つかりましたでしょうか。

あなたの音楽大陸が広がったのでしたら幸いでございます■■