イカ天出身、日本が誇るHMバンド「人間椅子」を知らないHR/HMリスナーに念の為オススメしておきたい

鈴木研一 / ナカジマノブ /和嶋慎治

僕が熱心に彼らの楽曲を聴くよういなったのはデビュー後数年経った頃でしたが、存在そのものや音楽性は、デビュー前から知っていました。

何故か。彼らは伝説の深夜TV番組「三宅裕司のいかすバンド天国」からシーンに登場したバンドだったからです。

もはや「イカ天」そのものが伝説的な存在になってしまっていますが、そんな番組からデビューのきっかけを掴んだ数多のミュージシャンにおいて、「人間椅子」の独自性は正にダントツでした。

オリジナル・メンバーであるベーシスト鈴木研一氏が当初被り物扮装で演奏していた事から、所謂「色モノ・バンド」と思われがちだったのがなんとももったいない話です。

正直僕も最初はそんな印象を持ってしまった輩の一人です。

だって、これですよ。

人間椅子_鈴木さん写真

あーふざけたナンチャッテがリッケンバッカー使っちゃってるよー……、って思っちゃうじゃん。

しかし演奏を一聴すれば、彼らが最初期から異常に完成度が高かったのは、簡単に伺い知れます。

人間椅子入門編名曲10選

筆者が好きな曲をまずは10曲選んでみました。

正直申しまして、歴史の永い彼等ですからたった10曲で魅力を伝えるなんて事は不可能ですが、それでも入口としてはこの10曲がいいんじゃないかなあと思う次第です。

ではまず初期の名曲を紹介します。

りんごの泪/人間椅子 (1989)

彼等、青森のバンドなのでりんごがモチーフになってる曲なんですね。

初期の超名曲です。

この曲を聴いて「あーこの音は合わないわー」と思われたのでしたら僕はアッサリ諦めます、このエントリはあなたにとって無意味かもしれません。

しかし多くのHR/HMは迂闊にスルー出来ないだろうと思っているんですね、僕は。

序盤の3連パートのヘヴィネスがまず最高ですし、ブレイク後のテンポ・アップしたパートのリフに心躍らないとは言わせませんぞ。

では初期の曲を続けて。

針の山/人間椅子 (1990)

はい、HR/HMリスナーにはおなじみの曲「ブレッドファン」の日本語カバーです。

メタリカのオリジナル曲と勘違いしている若いリスナーさんがもしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、オリジナルはBudgieなのでお間違えなく。

話が逸れました。

彼らは初期から中期にかけて色々なカバーを演奏してくれていまして、そのセンスはもう「印象そのまんま」です。

これはもちろん褒め言葉です。

では凄まじいカバーのこの曲を。

21世紀の精神異常者/人間椅子カバーver.

だんだん判って来ました?

ヤバいでしょ彼らのパフォーマンス。

若いリスナーさんの為に念の為お伝えしておきますが原曲はキング・クリムゾンですからね。

もしもこの曲を聴いた事が無い方がいらっしゃいましたら、ソレはソレで人生を損していますから、名盤「クリムゾン・キングの宮殿」を聴いていらっしゃいな。

話が逸れました。では彼らのオリジナル曲の中から、僕が大好きな曲を3曲ドウゾ。

審判の日 (1992)

ユニゾン・リフから始まる、彼らの楽曲の中でもヘヴィな色合いが強い曲です。

ライヴではテンポを落としてさらに重たさを増した演奏を聴かせてくれる事もあります。

サビは重たいのにやけにキャッチーで、一度聴いたら直ぐに歌えるのも最高。

インスト・パートの展開は、いかにも人間椅子然としていてカッコいいですね。

見知らぬ世界/人間椅子 (2001)

70年代のサイケデリック・ロックの香りがするヘヴィ・ナンバーです。

メイン・リフはブラック・サバス的でもありますよね。

PVのワケわかんない加減も今となっては味です。

なまはげ/人間椅子 (2014)

ライヴでも人気の大作です。

リフがとにかく邪悪で不穏。

カッコいい。

シンプルながら疾走感を感じませんか。

日本語歌詞が美しくて聞き惚れてしまいます。

じっくりヘッド・バンギングしたくなるでしょ。

サビは当然大合唱確定です。

テンポ・アップの展開はライヴ向きですよね。


出来るだけ幅広い期間から選びましたが、なにせ30周年ですからピック・アップするの大変です。

初期だけで10曲くらいオススメしたいのが本音です。

で、ここ数年の作品を最後に4曲紹介します。

宇宙からの色/人間椅子 (2014)

サビがカッコいいんですよねえ。

怪しい響きで広がりを感じるメロディは、人間椅子の得意技です。

2拍3連の入れ方が超気持ちイイでしょ。

恐怖の大王/人間椅子 (2016)

Aメロのキメがいきなりカッコいい曲。

Bメロのトリッキーなパターンから、ストレートなサビへの展開、そこからまたAメロに戻るぶん回し方は鳥肌ものです。

Gr.ソロ・パートの疾走モヤバいですね。

虚無の声/人間椅子 (2017)

オープニングはどこか懐かしさを感じる、メランコリックなメロディを聞かせてくれます。

Aメロ、サビのツー・バスがカッコいい。

ずっと踏みっぱなしってワケじゃないのがイイでしょ。

あとPVのセンスもかなカッコいいですな。

インスト・パートはキメの入れ方がクリムゾン的でもあって、なんだか先人達への愛情を感じます。

無情のスキャット/人間椅子 (2019)

いかがでしたか。

最高でしたかそうですかそうでしょうそうでしょう僕も最高だと思います。

近年の楽曲には凄まじい貫禄が宿っているものの驚くべきは、彼らの音楽性が最初期から全くブレていない事だと思うんですね。

かといってマンネリに陥っているとも感じません。

飽くなき音楽への愛、HR/HMへのチャンレンジ精神が、驚異的な力で継続していると感じませんか。

日本語への極めて強い愛情を感じませんか。

彼らが30年、音楽活動を続けてくれた事に感謝しきりです。

もちろん今後の活動も大いに期待しています。

最後に

バンド名やビジュアルから、つい「人間椅子」を敬遠していたあなた。

今からでも全然遅くはありません。

聴くべき彼らのオリジナルアルバムは、21枚もリリースされています。

じっくり追いかけてみてはいかがでしょうか。■■