【厳選】メタル・リスナー御用達!メタル系アルバム・カバーを創ったアーティスト13選
- 1. Pushead(Brian Schroeder)
パスヘッド(ブライアン・シュローダー) - 2. Joe Petagno
ジョー・ペタグノ - 3. Hugh Syme
ヒュー・サイム - 4. Joachim Luetke
ヨアヒム・レトケ - 5. Bob Defrin
ボブ・デフリン - 6. Andreas Marschall
アンドレアス・マーシャル - 7. Niklas Sundin
ニクラス・スンディン - 8. Andie Airfix
アンディ・エアフィックス - 9. Travis Smith
トラヴィス・スミス - 10. Ken Kelly
ケン・ケリー - 11. Jean-Emmanuel Simoulin(Valnoir)
ジャン・エマニュエル・シムーリン(ヴァルノワール) - 12. Michael Whelan
マイケル・ウィーラン - 13. Storm Thorgerson
ストーム・ソーガソン - 14. 最後に
Niklas Sundin
ニクラス・スンディン
- スウェーデン出身のヘヴィ・メタル・ミュージシャン(ギタリスト)であり、グラフィックデザイナー、イラストレーター
- ダーク・トランキュリティ、レートラのギタリストとして有名
- ダーク・トランキュリティでは作曲も多く手掛け、一部楽曲では作詞も担当
- 2020年3月に、ダーク・トランキュリティを脱退、脱退後はデザイン関連の仕事に加え、新たに立ち上げたエレクトロニック・ミュージック・プロジェクトのミトコンドリアル・サンで活動
- イン・フレイムスの2ndアルバム「ザ・ジェスター・レース」収録曲の作詞にアンダース・フリーデンとの共作で参加、以降もアンダースのスウェーデン語歌詞を英語に翻訳している
- グラフィックデザイナー、イラストレーターとしても活動、キャビン・フィーバー・メディアというデザイン・スタジオを設立
- ヨーロッパのヘヴィ・メタル・バンドのアルバム・ジャケットを中心に、多くの作品を手掛けている
- イン・フレイムス、エターナル・ティアーズ・オヴ・ソロウ、アーチ・エネミー、ナイトレイジ、センテンスト、ナグルファーなど
スウェーデンのデス・メタル・バンドといえば、とりまこの人のデザイン、っていう感じでしょうか。
ギターも弾けるし作詞も出来るし、グラフィックもカッコいいとか、どんなスペックなんでしょうか。
北欧の土地が醸造した、ダークなイメージの中にもクールで冷静な視点が光るアートが多いですね。
コテコテのメタルというよりは近年におけるメタルコアのカバー・アートに通じるような、デザインとして完成度の高いアート・ワークが特徴で、一枚の絵としても鑑賞に堪える絵作りです。
Andie Airfix
アンディ・エアフィックス
- イギリスのグラフィック・デザイナー、デザイン会社「SATORI Graphic」を立ち上げ、HR/HM初期の名作アルバム・カバーを数多く担当した
- ブラックサバス、デフ・レパード、ジューダス・プリースト、メタリカ、ローリングストーンズ、ガンズ・アンド・ローゼズ、ポール・マッカートニー、デヴィッド・ボウイ、など
- 2018年10月10日に72歳で死去、死因は明らかにされていない
一線級のミュージシャン達のアルバム・カバーを担当しまくりのアーティストです。
非HR/HMミュージシャンもフォローしているのですが、その顔ぶれがポール・マッカートニーとかローリング・ストーンズとか、デヴィッド・ボウイとかなので、もうちょっと殿上人って感じですね。
デフレパードのスタイリッシュなイメージもカッコいいし、ザ・ワイルドハーツのちょっと可愛い雰囲気のイメージも楽しいし、クオリティの水準が総じて高いですね。
Travis Smith
トラヴィス・スミス
- アメリカのグラフィックアーティスト、ヘビー・メタル・アルバム・アートのデザインでよく知られている
- 正式な美術教育は受けていないが、友人のバンド「サイコティック・ワルツ」のアルバム・カバー・デザインからキャリあをスタートした
- デス、デヴィン・タウンゼンド、ストラッピング・ヤング・ラッド、アヴェンジド・セヴンフォールド、カタトニア、ネバーモア、オーペス、アナテマ、ソイルワーク、キング・ダイアモンドなど、
- 主に写真ベースで、他のさまざまなメディアとデジタルで構成された「暗く内省的な」スタイルが特徴
- アヴェンジド・セブンフォールドの「ナイトメア(2010)」のアートを作成した際は、アクリル絵具と水彩絵具で実際にペイントしたテクスチャをいくつか作成し、スキャンして、全体像とブレンドし構成した
デジタルとアナログを組み合わせた作風は特徴の一つで、生々しさを持ちながらも物語性を感じるイメージを作り出すのが得意技だと思います。
筆者が大っ好きなアーティストです。
オーペスの一覧のアルバム・カバーや、オーバーキルのアルバム・カバーなど、連作的なアート・ワークも見応えがあります。
画面に漂う、独特の静寂感が大好きなんですよねえ。
Ken Kelly
ケン・ケリー
- アメリカのファンタジー・アーティスト
- 30年のキャリアの中で、剣と魔法の物語やヒロイック・ファンタジー関連の絵画を中心に活動してきた
- フランク・フラゼッタの妻、エレノア・エリー・フラゼッタの甥である
- 作品はエキゾチックで魅惑的な場所や原始的な戦場を描く事が多い
- KISS、マノウォー、レインボー、エースフレーリーなど
HR/HM界隈の筋肉番長といえばこの人。
KISSの有名過ぎる名盤のカバー・アートはもちろん、マノウォーの力強い筋肉の描写など、完成されたデッサン力とファンタジックな色彩で、強烈な印象を見る者に植え付ける作風です。
人体や肉体を、実に魅力的に描いてくれる作家です。
マノウォーの筋肉とレインボウの虹を掴む手が、同じ作家の手による作品だったってのも、なんだかドラマチックな事実です。
Jean-Emmanuel Simoulin(Valnoir)
ジャン・エマニュエル・シムーリン(ヴァルノワール)
- フランスのアーティスト、グラフィック・アート・スタジオMetastazisの創始者で、別名ヴァルノワール
- ブラック・メタルを特に好み、数多くのアルバム・カバーを手掛けた
- ドロー系のラインを用いたシンボリックなイメージが得意技で、宗教的イコンを思わせる作風が特徴的
- トリヴィアム、ラム・オブ・ゴッド、パラダイス・ロスト、モービッド・エンジェル、ベヒーモス、など
こういう作風なので一件クール系、クリーン系ミュージシャンのアート・ワークを手掛けているのかと思いきや、基本的にデス・メタルやブラック・メタル界隈御用達のアーティストというのもアツいです。
明らかに宗教画をモチーフとした構成、レイアウトのカバー・アートが多く、色数も3~4色程度に敢えて絞った作風で、独特の呪術的印象を感じさせます。
いやー、この人の仕事も最っ高、イイですよねー。
日本未発売ですが、15年に渡るアート・ワークを総括した作品集も出版されており、筆者は長年超探しています。
Michael Whelan
マイケル・ウィーラン
- リアリズムのアメリカ人アーティスト、30年以上にわたり、SFとファンタジーのカバー・アートを専門とするイラストレーターとして活躍し、1990年代半ば以来は美術のキャリアを追求
- 彼の絵画はスティーブン・キングの小説、アン・マキャフリイの『パーンの竜騎士』シリーズ、HPラヴクラフトの短編小説など、350冊以上の書籍や雑誌の表紙に登場している
- 1980年にボストンで開催されたワールドサイエンスフィクション大会で、ヒューゴー賞の最優秀プロアーティスト賞を初受賞、2010年の時点で、15のヒューゴー賞を受賞している
- ミートローフの1993年のアルバム「Bat Out of Hell II:Back intoHell」カバー・アートを担当以来、マイケルジャクソンからセパルトゥラ、ジョンセリーまで、他の多くのアルバム・カバー・アート・ワークを担当した
この人のアートはどう控え目に表現しても最の高としか言い様がありません。
アルバム・カバー・アートとしては数が限られるアーティストなのですが、とにかく絵画としての完成度、圧倒的描写力による存在感、モチーフのインパクト、どれをとっても爆裂個性的です。
アルバム・サイズ程度ではもったいないと感じる程、緻密で繊細な表現も大きな魅力です。
セパルトゥラが成功した理由の一つは、彼のアートが後押ししたのだと思うんですよね(筆者の個人的な感想です)。
Storm Thorgerson
ストーム・ソーガソン
- イギリスのグラフィックデザイナー兼ミュージック・ビデオディレクター、キャリアの殆どを通じてピンク・フロイドと緊密に協力していることでよく知られている
- レッドツェッペリン、フィッシュ、ブラックサバス、UFO、ピーター・ガブリエル、アラン・パーソンズ・プロジェクト、ジェネシス、イエス、などのアルバム・カバーで活躍
- 1968年にオーブリー・パウエルと共に、グラフィック・アート・グループの「ヒプノシス」を設立し、多くの有名なアルバム・カバーをデザインした
- 1983年、ヒプノシスの解散後、ソーガソンとパウエルはグリーン・バック・フィルムを結成し、ミュージック・ビデオの制作を始めた
最後は伝説的なアーティストを、今更ながら紹介して終わろうと思います。
「ヒプノシス」というアート・グループは超有名ですが、ピンク・フロイド関連のアート・ワークが有名過ぎて、彼のその他の作品は意外に知られていないような気がします。
あらゆる作品は、超然とした視点が生み出す不思議なイメージを表現しており、独特の違和感や異質感が最大の魅力です。
最後に
いかがでしたでしょうか、あーあのジャケットこの人が描いてたのかー状態は発生しましたでしょうか。
レコード、CDというメディアが廃れつつあり、サブ・スクリプションで便利に新しい音源を聴けるようになって久しいワケですが、アルバム・カバーというアートのメディアが廃れてしまうのは、やはり寂しいと感じます。
様々なアーティストの世界が焼き付けられたこの正方形の画面に、今後も注目していきたなと思います。
今でもジャケ買いしちゃうんで。■■
Pushead – Wikipedia / Joe Petagno – Wikipedia / Hugh Syme – Wikipedia / Joachim Luetke – Wikipedia / 10 old school album cover artists, you should know about / アンドレアス・マーシャル – ウィキペディア / Niklas Sundin – Wikipedia / Andie Airfix – Wikipedia / Travis Smith (artist) – Wikipedia / Ken Kelly (artist) – Wikipedia / metastazis.bigcartel.com / Michael Whelan – Wikipedia / Storm Thorgerson – Wikipedia
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