【全アルバム解説】アウトレイジの歴史と名曲・名盤一挙紹介
ここで日本のバンドにフォーカスしてみようと思います。
骨太で職人的なコダワリを持った良質のスラッシュ・メタル・バンド「アウトレイジ」です。
昨今のメタルコア勢とは一味違った、伝統的なスラッシュ・メタルを軸に作品を発表しつづけている彼等も、時代の流れの中様々な出来事がありました。
そんなアウトレイジの事を徹底的に紹介したいと思います(筆者が爆裂大好きなバンドです)。
アウトレイジってどんなバンド?
- 1982年に結成された、名古屋出身のスラッシュ・メタル・バンド。1987年にギターの阿部洋介、ベースの安井義博、ドラムの丹下眞、ボーカルの橋本直樹のラインナップでデビュー。
- 橋本は1999年にバンドを脱退したが、バンドはスリーピースとして活動を継続し、その間もアルバムを2枚発表した。スリー・ピース時代は安井氏がヴォーカルを担当していた。
- 2007年に橋本氏が復帰し4人体制で活動再開。30年以上のキャリアを持ち、解散や活動の一時休止などをしたことのない、数少ない日本のバンドの1つ。
- デビュー当時から「和製メタリカ」と呼ばれるなど、楽曲のクオリティ、演奏技術、ライヴ・パフォーマンス、それぞれにおいて高い評価を獲得しているが、メタリカより遥かにカッコいい。
- 楽曲の多くはスラッシュ然としたヘヴィなリフの応酬で、リズム・チェンジを多用する事も多く突進力が凄まじい音像。歌メロにおいて独特の日本的イメージを含む橋本氏の歌唱が特徴的。
アウトレイジのアルバム別音楽性の変遷
アウトレイジは長年に渡って高品質のスラッシュ・メタルを創作し続けてきたわけですが、しかしその歴史の中で様々な変化を経て来ましたし、その都度に「楽曲の変化」として我々リスナーにも伝えられてきました。
アウトレイジの音楽的変遷を4つの時代にまとめて紹介してみようと思います。
01.NWOBHMから初期スラッシュ・メタルの時代
1982年、彼等はまだ中学生だったのですが、同時期にイギリスで勃興したニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタルの潮流に触れアイアン・メイデンやエンジェル・ウィッチ、トラストといったバンドのコピーを始めました。この頃は5人編成。
翌年にはオリジナル曲を作り始めライヴ活動もスタートしています(はやい)。
そうした中、1985年に阿部氏が半年間の渡米を理由に活動を休止しますが、この時にアメリカで数々のライヴを現地で体験した事が原動力となり、帰国後アウトレイジ初のデモ・テープを制作します。
その後1986年には結成メンバーであったヴォーカルの伊藤氏が脱退、オーディションの結果橋本氏が加入決定し、翌年1987年にミニアルバム「Outrage」(当時は当然ながらアナログEP盤)を3,000枚限定でリリースします。
このアルバムをきっかけに名古屋だけでなく東京にも活動の場が拡大していくコトになりますが、当時19歳、20歳のメンバーが作った音源とはとても思えない素晴らしい作品です(マジ必聴)。
BLACK CLOUDS / OUTRAGE (1988)
遂に1988年、ポリドール・レコードから1stアルバムが発表されます。
またマネージメント契約をマリオネットミュージック(伊藤政則の事務所!)と締結し、この後何年にも渡って彼等は関わり続ける事になります。
アルバム全体が高純度のスラッシュ・メタルで埋め尽くされておりキレのいいリフが次から次へと繰り出される作風で、令和の時代に聴いてもその突進力に圧倒されます。
また80年代のスラッシュに強く影響された印象も強く、ザクリザクリと刻むクランチーな音像はいつの時代においてもメタル・リスナーの大好物でしょう。
ベイエリアやメタリカといったアメリカ・スラッシュ勢からの影響下にありつつも、メロディ・ラインに日本人好みのロマンチシズムを持ち込み、1st時点で既にしっかり個性に昇華しているのも注目すべき点。
この1stアルバム以降これまでずっと、オリジナル曲は全て英詩で書かれている事もアウトレイジの特徴の一つで、彼等がデビュー以前から完全に世界のミュージック・シーンを見据えていた事が伺い知れます(超クール)。
All songs written by OUTRAGE except track 3,6 ; all songs arranged by OUTRAGE
- “Curtain of History“ Length:5:44
- “Under Control of Law“ Length:3:53
- “Slowly But Surely“ Music:Joe,Patti,George Wada Length:4:45
- “Black Clouds“ Length:7:02
- “Bring Him Back“ Length:7:41
- “Eos" (Instrumental) Music:Y.abe Length:1:00
- “Edge of Death“ Length:7:26
- “Peyote" (Instrumental) Length:6:00
- Personnel
- 橋本直樹 – vocals
- 阿部洋介 – guitar, backing vocals
- 安井義博 – bass, backing vocals
- 丹下眞也 – drums
- STATE OF EUPHORIA / ANTHRAX
- LEPROSY / DEATH
- FROLIC THROUGH THE PARK / DEATH ANGEL
- SO FAR,SO GOOD…SO WHAT! / MEGADETH
- …AND JUSTICE FOR ALL / METALLICA
- SURVIVE / NUCLEAR ASSAULT
- UNDER THE INFLUENCE / OVERKILL
- SOUTH OF HEAVEN / SLAYER
- THE NEW ORDER / TESTAMENT
- VANISHING VISION / X
and more…
BLIND TO REALLITY / OUTRAGE (1989)
デビューアルバム発表の翌年には2ndが発表されます。
1stの方向性を更に激化させた内容で、ギター、ベースのサウンドはよりクランチーに、より重たく、しかしリフそのものはよりテクニカルに進化しスピード感も増しています。
そこに、ほんっの少しだけアトノリのドラムスが絡む事で、全体としてはスピーディでありながら非常に重たいサウンドに仕上がっており、一切の妥協を感じさせない豪胆な仕上がりです。
80年代で既に日本人がこれほどスラッシーな楽曲を創っていた事に、若いメタル・リスナー諸氏は驚かれるのではないでしょうか。
とにかくリフのアイデアが詰まりまくったアルバムで、一曲の中で惜しげもなく矢継ぎ早にクールなヘヴィ・リフが繰り出される様は、なんとも贅沢な内容だと言えるでしょう。
筆者としては、アウトレイジの突進力がこのアルバムで一度完成したと感じています。
また作詞においても新たな試みが実践されたアルバムで、当時名古屋在住だったアメリカ人Tom.A.Francotとの共同作業によって英詩が作られ、このことを切っ掛けに橋本英語はみるみる上達したのだそうです。
All songs written & arranged by OUTRAGE
- “Blind to Reality“ Length:5:29
- “In His Steel Claw“ Length:8:55
- “Call of the Hunter“ Length:6:41
- “Nowhere to Turn“ Length:8:32
- “Name Your Poison“ Length:5:00
- “Game of Greed“ Length:6:41
- “What the Meaning of Freedom“ Length:6:39
- “Lookin’ at Time“ Length:11:02
- Personnel
- 阿部洋介 – All Guitars & backing vocals
- 安井義博 – Bass & backing vocals
- 丹下眞也 – Drums & backing growls
- 橋本直樹 – Lead & backing vocals
- FABULOUS DISASTER / EXODUS
- EXTREME AGGRESSION / KREATOR
- NNIHILATION PRINCIPLE / LÄÄZ ROCKIT
- HANDLE WITH CARE / NUCLEAR ASSAULT
- THE YEAR OF DECAY / OVERKILL
- BENEATH THE REMAINS / SEPULTURA
- AGENT ORANGE / SODOM
- PRACTICE WHAT YOU PREACH / TESTAMENT
- CONTROL AND RESISTANCE / WATCHTOWER
and more…
THE GREAT BLUE / OUTRAGE (1990)
2ndで聴かれたスラッシュ・メタルの方向性を進化させつつ、楽曲のバリエーションを更に押し広げた3rdアルバム。
ギター・ソロでは憂いのあるメロディを聴かせるなど、勢い任せの突進力に頼るのではなく、楽曲としてのヒネリにも手を緩めていません。
3枚目までの特徴の一つに、一曲が長いという点があります。
デビュー・アルバムから既にそうだったのですが、彼らの楽曲は展開が多く5分を超えるのが当たり前、中には8分、11分という大作もあります。
当時のスラッシュ・メタルは比較的曲が長くなる傾向にあり、アウトレイジもそうしたフォーマットに近かったんですね。
理由としてはリフの種類や展開の多さに加えて、コンパクトなコマーシャリズムよりも作品性、というマインドの優先順位があったのではないでしょうか。
またこの3rdまではアルバムに必ずインスト曲(歌ナシ)が含まれていました。
これもまた、当時のスラッシュ・メタル的フォーマットとして違和感のない構成で、メタリカをはじめ多くのバンドが印象深いインスト曲を発表していましたね(最近そういう文化は随分廃れている気がしますけども)。
続く4thのインパクトがあまりに強かった為に、比較的印象が薄いとされがちなアルバムですが、リフのアイデアや橋本氏の歌唱の熱さなど、聴きどころの多い良作です。
All songs written & arranged by OUTRAGE
- “Just Believe in Me“ Length:5:21
- “Rusty Door“ Length:4:21
- “Fall to Disorder“ Length:6:02
- “The Day of Rage“ Length:4:07
- “Voyage Of…“ Length:1:46
- “… Clay Liner“ Length:6:38
- “The Truth“ Length:5:07
- “Great Blue“ Length:8:44
- “Bearing Down“ Length:3:39
- Personnel
- 橋本直樹 – Lead & backing vocals
- 阿部洋介 – All guitars & backing vocals
- 安井義博 – Bass & backing vocals, Texas chainsow massacre
- 丹下眞也 – Drums & backing vocals
- PRESISTENCE OF TIME / ANTHRAX
- ACT III / DEATH ANGEL
- CRACKED BRAIN / DESTRUCTION
- IMPACT IS IMMINENT / EXODUS
- COMA OF SOULS / KREATOR
- RUST IN PEACE / MEGADETH
- COWBOYS FROM HELL / PANTERA
- SEASONS IN THE ABYSS / SLAYER
- BETTER OFF DEAD / SODOM
- SOULS OF BLACK / TESTAMENT
and more…
02.オリジナル性を獲得した発展形スラッシュの時代
スラッシュという着火点からスタートしたアウトレイジは、その方向性を先鋭化させながらも、新たなオリジナリティ獲得に向けてステップアップします。
地下音楽的側面があったスラッシュ・メタルから、普遍的なメタル・サウンドへのアプローチに踏み出すなど、ここからアウトレイジの快進撃が始まります。
THE FINAL DAY / OUTRAGE (1991)
アウトレイジが遂に化けるのが、このアルバムです。
3rdまで貫いてきたスラッシュ魂に、自分達のルーツの一つでもあったハードコア、パンク、の要素を織り交ぜつつ、敢えて言うなら「キャッチーさ」を手に入れたバンドの超絶成長作品。
もはやスラッシュという枠組みで語る事さえ無粋と言える程、普遍的なヘヴィ・メタル・アルバムとして、異常な完成度を誇る奇跡的な作品に仕上がっています。
プロデューサにアクセプトのドラマー、ステファン・カウフマンを起用し、ドイツに渡ってのレコーディングという計画も、これまでとは明らかに「違う」流れ。
後に語られたところによれば、ドイツに発つ直前まで収録予定の楽曲が完成しておらず、極度の緊張感の中それぞれのパートを作曲していったとの事ですが、そんなエピソードが信じられない程、アルバムの何処を切り取っても完璧に作り込まれた印象です。
名曲「1.」のSEで幕を開ける本作は、どの楽曲も実にキャッチーで、ある種憑き物が落ちたかのような「ふっきれた爽快感」を纏っています。
パンキッシュな味わいのある「2.」、重戦車行軍のようなヘヴィネスを聴かせてくれる「3.」、ライヴでは人がぶっ飛んで行き怒声を上げる様が目に浮かぶスラッシーな「4.」、同じくスラッシーな勢いを持ちつつ出頭のギターソロが心拍数爆アゲな「5.」、ベース・ラインの印象的なフレーズからじわじわと不穏なイメージが広がるミッド・テンポの「6.」、静と動のコントラストがヒリヒリとした緊張感を生む爆走ナンバー「7.」、遂に生まれたバンド初のスロー・バラード「8.」、アルバムの締めにはアウトレイジらしいリフの応酬とシンガロング必至のサビ咆哮パートが心地良い「9.」の、いずれもが一度聴いたら覚えてしまえるようなキャッチーさと激しさを持っている、トンデモない神アルバムです。
このアルバムをきっかけに、それまでアウトレイジを認識していなかったメタル・リスナーの耳にも、彼等の音源が届き始めたのは間違いありません。
All songs written by OUTRAGE;all music is composed by OUTRAGE
- “My Final Day“ Length:4:38
- “Madness“ Length:4:05
- “Follow“ Length:5:38
- “Wings“ Length:4:00
- “Sad Survivor“ Length:3:57
- “Visions“ Length:4:32
- “Veiled Sky“ Length:5:37
- “River“ Length:4:52
- “Fangs“ Length:4:09
- Personnel
- 橋本直樹 – Vocals
- 阿部洋介 – Guitar, backing vocals
- 安井義博 – Bass, backing vocals
- 丹下眞也 – Drums
- NOTHINGS SACRED / LÄÄZ ROCKIT
- CONTRADICITIONS COLLAPSE / MESHUGGAH
- METALLICA / METALLICA
- OUT OF ORDER / NUCLEAR ASSAULT
- HORRORSCOPE / OVERKILL
- ARISE / SEPULTURA
and more…
SPIT / OUTRAGE (1993)
続く5枚目のアルバムは90年代メタル冬の時代を背景に、グルーヴや重たさに焦点を当てた実験作という印象の仕上がりです。
「My Final Day」のような明快なアンセムというイメージの曲はなく、よりガッチリとリズムがロックされ音の密度を極限にまで高めたかのような楽曲が多く収録されており、サウンド面でも当時の時代性を反映した、陰鬱で引き摺るような重たさが特徴の1枚。
発表当時は、90年代のグルーヴ・メタルやモダン・ヘヴィネスといった潮流の只中でして、多くのスラッシュ・メタル・バンドが時代に寄り添おうと作風を変化させ、結果的にファンから失望を買う事が珍しくありませんでした(ほぼ唯一の成功例がメタリカのブラック・アルバム)。
アウトレイジは本作でヘヴィネスにフォーカスした作風を打ち出しはしたものの、彼等の武器である突進力のあるギター・リフや哀愁を孕んだギター・ソロ、分厚いアンサンブル、という個性を、ギリギリ奇跡的に維持する事に成功しています。
派手さは控え目ながら阿部氏のギター・ソロは重苦しくも切ない美旋律を聴かせてくれます。
また橋本氏のヴォーカル・スタイルは本作でも表現の幅が拡大し、サウンド・プロデュースの方向性も手伝って、非常に硬質な仕上がりとなっている反面、やや奥に引っ込んだミックスとなっているのは好みが別れるトコロかも知れません。
前作に続きスロー・ナンバー「6.」では、橋本氏の表現力を堪能出来る内容となっており、彼の新たな魅力を引き出しています。
All songs written by OUTRAGE;all music is composed by OUTRAGE
- “Mr. Rightman“ Length:3:39
- “Faith“ Length:4:43
- “To You“ Length:3:30
- “The Smoke“ Length:6:25
- “How Bad?“ Length:3:53
- “The Key“ Length:5:38
- “Never Make the Same“ Length:4:44
- “Live My Life“ Length:4:35
- “Inner Strength“ Length:5:51
- “Eagle“ Length:6:13
- Personnel
- 橋本直樹 – Vocals
- 阿部洋介 – Guitar, backing vocals
- 安井義博 – Bass, backing vocals
- 丹下眞也 – Drums
- SET THE WORLD ON FIRE / ANNIHILATOR
- SOUND OF WHITE NOISE / ANTHRAX
- WHERE THE CONFLICT REACHES / HELLCHILD
- I HEAR BLACK / OVERKILL
- ABOVE THE LIGHT / SADIST
- SCORN DEFEAT / SIGH
and more…
LIFE UNTIL DEAF / OUTRAGE (1995)
アメリカ、カリフォルニア州ロサンゼルスのScream Studioにて、プロデューサーにマイケル・ワグナーを迎えたアウトレイジ2度目の神アルバム降臨が本作。
前作でヘヴィさに振った方向性を糧としてしっかり昇華しつつも、神アルバム「ザ・ファイナル・デイ」を更に激化させたかのようなアルバムを発表します。
6thに当たる本作では、これまでのアウトレイジの歴史を総括し新たなサウンドのレヴェルに到達しており、スラッシュ・メタル的要素、ハードコア・パンクの要素、モダンなグルーヴ・メタル要素、これらに伝統的なヘヴィ・メタル・ミュージックがブレンドされて、時代を跨ぐ普遍的なアルバムに仕上がっています。
4thからこのアルバムまでの流れを当時リアルタイムに体感した筆者としては、本作がアウトレイジ最高傑作だと信じて疑いません(本当にこのアルバムは神がかっていました)。
All songs written by OUTRAGE;all music is composed by OUTRAGE
- “Megalomania“ Length:4:59
- “Vanishing Fully from the World“ Length:5:42
- “Undertow“ Length:5:57
- “Midnight Carnival“ Length:4:43
- “In Union with Earth“ Length:8:46
- “Echo“ Length:3:09
- “Draggin’ Me Down (Fear is)“ Length:6:40
- “You Suck“ Length:2:53
- “Concrete Mirror“ Length:3:36
- “Argument“ Length:4:38
- “Live Until You Die“ Length:5:25
- Personnel
- 橋本直樹 – Vocals
- 阿部洋介 – Guitar, backing vocals
- 安井義博 – Bass, backing vocals
- 丹下眞也 – Drums
- STOMP 442 / ANTHRAX
- CAUSE FOR CONFLICT / KREATOR
- DESTROY ERASE IMPROVE / MESHGGAH
- SACRIFICE / MOTORHEAD
- MASQUERADE IN BLOOD / SODOM
- N.O.I.Q. / UNITED
- NEGATRON / VOIVOD
and more…
WHO WE ARE / OUTRAGE (1997)
テネシー州ナッシュビル郊外のWire World Studioにて、再びプロデューサーにマイケル・ワグナーを迎え制作された7th。
アウトレイジにとって最もスラッシュから距離をとり、最もグルーヴ・メタルに接近したアルバムです。
当時のオルタナティヴ・ロック/メタルへの回答とも受け取れる内容は、時代背景を勘案すると納得の変化ですが、「アウトレイジよ、お前もか」という反応があったのも確か(筆者は当時も今もグランジ臭など微塵も感じていませんでしたが)。
実際のところ今聴けば、5th「スピット」の方向性の進化版とも言える内容ですし、スラッシーなリフが少なくなったとは言えアウトレイジらしいシンプルな突撃性が失われたワケでもなければ、音の壁が迫ってくるような迫力も損なわれてはいません。
具体的には、ギター・ソロは控えめな存在となり、楽器隊全体でグルーヴのウネリを作る為にリフが存在している、といったイメージの変化が起こっており曲構成はよりシンプルな一点突破型に集約され、塊としての重量感が増しています。
またこれまでのアウトレイジでは聴かれなかったようなメジャー・キーの「5.」のような曲も収録されており、それはそれで当時ギョッとした記憶がありますが、なんだか初めてロックに触れた頃の原風景を見せられているような気がして、やけに胸が熱くなったものです。
そしてこのアルバムを発表後、ヴォーカリストの橋本氏がまさかの脱退を表明します。
All songs written by OUTRAGE;all music is composed by OUTRAGE
- “Broken Man“ Length:3:50
- “Let My Ass Go“ Length:4:06
- “The Ladder“ Length:4:16
- “After All“ Length:6:33
- “World Slow Down“ Length:3:27
- “Stuck Together“ Length:4:45
- “Shadow“ Length:4:00
- “We Suck“ Length:2:12
- “Descent“ Length:4:55
- “Who We Are“ Length:1:49
- “Lash Me to the Wheel“ Length:5:43
- “Donkey Ride“ Length:6:17
- Personnel
- 阿部洋介 – guitar, backing vocals
- 安井義博 – bass, backing vocals
- 丹下眞也 – drums
- 橋本直樹 – vocals
- OUTCAST / KREATOR
- THE MORE THINGS CHANGE… / MACHINE HEAD
- CRYPTIC WRITINGS / MEGADETH
- FROM THE UNDERGROUND AND BELOW / OVERKILL
- EVERYTHING LOUDER / RAVEN
- TIL DEATH DO US UNITER / SODOM
- DEMONIC / TESTAMENT
and more…
03.橋本直樹脱退後のストーナー・ロックの時代
橋本氏脱退は衝撃的なニュースでした。
当時それなりに入れ込んでいた筆者はもうアウトレイジというバンドは無くなってしまうのだと思い込み、随分と落ち込んだのを覚えています。
がしかし、アウトレイジのメンバーは屈強な精神力で、スリー・ピース・バンドとして活動を継続するという選択をするわけです。
24-7 / OUTRAGE (2002)
新たなヴォーカリストのオーディションを試してみるも納得出来るメンバーとは巡り合えず結論として、安井氏がベースを弾きながら歌うというスタイルを選択します。
そして届けられたアルバムを聴いて、愕然としました。
「アウトレイジが違う音楽を演っているっ!」
音楽をジャンルで語るのは無粋と知りつつも、流石にこの時の驚きは凄まじいものがありました。
実にシンプル&ストレートなヘヴィ・ロック、ストーナー・ロック、といった風合いのサウンド/楽曲に、舵を切り直しての再出発です。
アウトレイジのルーツに、こうしたヘヴィ・ロック、サイケデリックな世界観というものがあったのもまた事実だと思いますが、何せスラッシュやメタルの文法でアウトレイジを聴いてきたファンからすると、このアルバムの音を受け入れるのにはそれなりに時間を要しました。
後から落ち着いて聞けば、このアルバムに収録された楽曲の渋さ、世界観の魅力、敢えて粗削りなサウンドを目指した意図など、色々を冷静に感じ取れて素直に「カッコイイ」と思えるのですが、登場したその瞬間は動揺してしまったんですね。
多くのアウトレイジ・ファン諸氏も、色々を感じていたのではないでしょうか。
しかしとにもかくにも、サウンドの方向性を調整しスタイルを切り替えてまで、アウトレイジは活動を休止することも解散することもなく作品を発表し続けたわけですから、その不屈のバイタリティには敬服するばかりです。
All songs written by OUTRAGE;all music is composed by OUTRAGE
- “Round 1“ Length:0:19
- “Panic Rider“ Length:4:05
- “Feed the Habit“ Length:7:02
- “Dial Tone“ Length:4:15
- “5 P.M.“ Length:6:10
- “Spider“ Length:0:48
- “Tear 'em Up“ Length:6:58
- “Commit It“ Length:4:18
- “Buried Alive“ Length:2:09
- “Song I Hate“ Length:5:25
- “24-7“ Length:4:22
- “El Cielo“ Length:9:40
- “Jane’s Roses“ Length:7:00
- “Five-O-Three“ Length:3:11
- Personnel
- 阿部洋介 – vocals,guitar, backing vocals
- 安井義博 – vocals,bass, backing vocals
- 丹下眞也 – drums
- ROYAL STRAIGHT FLESH / DEFLESHED
- HIGH SPEED MOSH ATTACK!!! / GAMY
- HAMMERED / MOTORHEAD
and more…
CAUSE FOR PAUSE / OUTRAGE (2004)
3編成のアウトレイジが放つ2枚目のアルバム。
彼等の3人編成はこの2枚のアルバムで終了しますが、驚くべきはこのアルバムで既に3人編成のサウンドが完成に至っている事でしょう。
1曲から迷いのない極太リフが繰り出され、スラッシュ時代とはまた違った意味で「ぶった切る」ような、重たい音の壁が出来上がっています。
1曲単位でのアイデア、リフが多い傾向にあったバンドとは思えない程、装飾らしい装飾をザックリと切り落とした弩ストレートなヘヴィ・ロックの応酬。
また安井氏の、吐き捨てるようで、ある種ダルなイメージのヴォーカル・スタイルも、前作に比べると明らかに安定度を増しており、もうずっと以前からそうだったかのように自信に満ちたヴォーカルに聴こえます。
楽曲のバリエーションも前作より研究が進んで拡大しており、「この路線で本気でヤっていくぞ」という決意が感じられます。
このアルバムも発表された当時、筆者は受け入れるのに少々時間を要しましたが今聴くと、超カッコ良くてアウトレイジ化け物かよ、って思います。
そうして、イベントでの限定再結成ライヴを経て、遂に橋本氏がバンドに復活します。
All songs written by OUTRAGE;all music is composed by OUTRAGE
- “Bleed Out“ Length:4:42
- “Deadbeat“ Length:2:54
- “Outta Change“ Length:2:31
- “China Doll“ Length:5:58
- “Cat & Nines“ Length:3:37
- “Do It Again“ Length:2:36
- “Annihilist Existentialist“ Length:4:52
- “Mental Asylum“ Length:2:32
- “I Can See for Miles“ Length:4:53
- “Big Mouth“ Length:4:43
- “Hit and Run“ Length:4:11
- “La Luna Del Desierto“ Length:6:00
- Personnel
- 阿部洋介 – vocals,guitar, backing vocals
- 安井義博 – vocals,bass, backing vocals
- 丹下眞也 – drums
- THE ART OF DYING / DEATH ANGEL
- TEMPO OF THE DAMNED / EXODUS
- REVOLVER / THE HAUNTED
- THE SYSTEM HAS FAILED / MEGADETH
- INFERNO / MOTORHEAD
and more…
04.4人体制再始動後から現在に至る円熟と開放の時代
4人体制復活に関するエピソードは、様々な映像コンテンツやweb上に掲載されたインタビューなど、多くのメディアで語られています。
筆者もオンタイムで観て来たものや後から拾い読みもの多数ありますが、中には胸が熱くなって涙が零れてしまうインタビュー映像もありました。
OUTRAGE / OUTRAGE (2009)
10代の頃から同じ夢を見た大人が、色々の経緯で袂を分かった後、再び人生を共有しながら作品創りをしようと決めるって、なんというかエグいですよね。
それもなんとなくまた交わった、という感じではなくて、逡巡して迷って決意してそうなっているわけですので、単純に「ビジネス・パートナーとして再結成した」といったレベルの出来事ではありません。
そうして出てきた10thアルバムがセルフタイトルっていうね(感涙)。
複雑な想いで、しかし期待と不安を胸にアルバムに針を落として、さあどんな音がクるのかと身構えると、静かでゆったりとしたギターが聴こえてきます、まるで英雄の凱旋を讃える行進曲のようにも感じつつ。
アルバムの内容は凄まじい完成度に加えて、ブランクが本当にあったのかと疑いたくなる程に太く冴え渡った橋本氏の声の素晴らしさに、思わず涙を流したファンが多くいたに違いありません、筆者はそうでした。
ヒトコトで評するならこうです「こういうのを待ってた!」。
All songs written by OUTRAGE;all music is composed by OUTRAGE
- “Rise“ Length:4:24
- “You Care? I Don’t Care“ Length:3:59
- “Reign“ Length:5:27
- “Until You Are Dead“ Length:4:19
- “Fists Full of Sand“ Length:4:06
- “Shells Rain Down“ Length:3:51
- “Landshark“ Length:2:47
- “Shine On“ Length:6:07
- “Tor“ Length:2:47
- “Terrorizer“ Length:3:45
- Personnel
- 阿部洋介 – guitar, backing vocals
- 安井義博 – bass, backing vocals
- 丹下眞也 – drums
- 橋本直樹 – vocals
- WHEN DEATH COMES / ARTILLERY
- HORDES OF CHAOS / KREATOR
- ENDGAME / MEGADETH
- MASSIVE AGGRESSIVE / MUNISIPAL WASTE
- WORLD PAINTED BLOOD / SLAYER
and more…
OUTRAGED / OUTRAGE (2013)
ライヴ・アルバムやボックス・セットの発売を挟んで4年ぶりに発表されたアルバムは、橋本氏の復帰が今後も続くのだと明確に宣言されているという意味で、発表されるまで筆者はうっすら不安を感じていました。
が当然ながらアルバムの出音を聴いて、そんなつまらない杞憂は吹き飛びました。
前作がアウトレイジのスタート地点であったスラッシュ・メタルの再解釈であったとするなら、今作はハードコア・パンクやストーナー・ロックも含むあらゆる自分達のルーツの再解釈、という印象に仕上がっています。
つまりバラエティに富んでいます。
彼等のクリエイティヴィティの地平はどこまで広がっているんでしょうか。
一曲単位のサイズはコンパクトにまとめながら小品感はまるでなく、アウトレイジに求められるもの、アウトレイジの個性として際立っていたものを、実にリラックスした形で自然に紡いだかのようなイメージさえ感じられます。
スラッシュ然としたアッパーな爆走ナンバー、グネグネとうねるベースラインが引っ張っていくヘヴィ・ブルーヴ感マシマシナンバー、広大なスケール間が感動的なバラードナンバー、男泣きの極太ギター・ソロ、ストレートかつキャッチーなリフの応酬、疾走感が更にパワーアップした歌声、ヘヴィ&タイトなリズム、どれもアウトレイジが持っていた武器のアップ・グレード版となっています。
とにかく充実度が異常に高いアルバムです。
- “Lost“ Lyrics:S.Tange,Y.Koide Music:Y.Abe,S.Tange Length:4:14
- “Grip On Chains“ Lyrics:S.Tange,Y.Koide Music:Y.Abe,S.Tange Length:4:59
- “New Horizon (I Found You)“ Lyrics:N.Hashimoto,Y.Koide Music:Y.Yasui,N.Hashimoto Length:5:01
- “Suck It“ Lyrics:S.Tange,Y.Koide Music:Y.Abe,S.Tange Length:2:48
- “Six Million Light Years“ Lyrics:N.Hashimoto,Y.Koide Music:Y.Yasui,N.Hashimoto Length:4:29
- “Freya" (instrumental) Lyrics:Y.Abe Length:2:26
- “This Is War“ Lyrics:S.Tange,Y.Koide Music:Y.Abe,S.Tange Length:3:53
- “Hey! I’ve Got a Feeling“ Lyrics:N.Hashimoto Music:Y.Yasui,N.Hashimoto Length:7:31
- “In the Air“ Lyrics:S.Tange,Y.Koide Music:Y.Abe,S.Tange Length:4:05
- “Far Away“ Lyrics:S.Tange,Y.Koide Music:Y.Abe,S.Tange Length:5:32
- Personnel
- 阿部洋介 – guitar, backing vocals
- 安井義博 – bass, backing vocals
- 丹下眞也 – drums
- 橋本直樹 – vocals
- Additional
- Lisa Reuter – Cello (track 10)
- Elin Sydhagen – Viola (track 10)
- FEAST / ANNIHILATOR
- LEGIONS / ARTILLERY
- THE UNDERGROUND RESISTANCE / DARKTHRONE
- THE DREAMCALLS FOR BLOOD / DEATH ANGEL
- BLACK FOREST / DEATH HORN
- NECROCRACY / EXHUMED
- WORSE THAN DEAD / IRON REAGAN
- SUPER COLLIDER / MEGADETH
- AFTERSHOCK / MOTORHEAD
- VI / ONSLAUGHT
- EPITOME OF TORTURE / SODOM
and more…
RAGING OUT / OUTRAGE (2017)
円熟期に入りつつも全く攻撃の手を緩めてくれないアウトレイジの12thは、あらゆる要素が「過去最高の仕上がり」という状態に到達しています。
前作同様に曲単位はイかせどころを的確に突いてくる構成ながらコンパクトにまとまっており、一気に走り抜けるかのようなアルバムです。
取り分け、ギター・ソロや歌唱に哀愁を感じさせる大人の苦味のようなモノもチラチラと見えるようで、もはやアウトレイジの魅力の一つとして成立しているなと感じました。
そうは言っても、大人げの無いハチャメチャさは当然健在で、リスナーを煽ってくる激しさは衰える気配がなく、気持ちのいいオラオラ感が全編を貫いています。
今更ながらアウトレイジの楽曲は、6thあたりからスラッシュ・メタルというジャンル音楽では既になく、アウトレイジのメタルが明確に打ち出されています。
その大きな要素の一つはやはりメロディ・ラインで、「しっかりと歌う為のメロディ」が毎曲作曲されているのはアウトレイジらしさに必須の条件でしょう。
近年の作品ではこの歌メロの完成度、激しさともの悲しさのバランスが絶妙に配分されており、聴く者の心に突き刺さってくるのだと思います。
- “Doomsday Machine“ Length:3:52
- “Hammer Down and Go“ Length:3:09
- “Territorial Dispute“ Length:5:25
- “Machete…“ Length:3:46
- “Wake“ Length:4:26
- “Hysteric Creatures“ Length:4:28
- “Spin“ Length:4:26
- “We Warn All Belongs“ Length:3:33
- “Heroes Falling“ Length:3:58
- “Wolf and Raven“ Length:3:21
- “Outrage“ Length:4:40
- Personnel
- 阿部洋介 – guitar, backing vocals
- 安井義博 – bass, backing vocals
- 丹下眞也 – drums
- 橋本直樹 – vocals
- FOR THE DEMENTED / ANNIHILATOR
- CROSSOVER MINISTRY / IRON REAGAN
- GODS OF VIOLENCE / KREATOR
- SLIME AND PUNISHMENT / MUNISIPAL WASTE
- THE GRINDING WHEEL / OVERKILL
- ABSURDITY / UNITED
and more…
RUN RIOT / OUTRAGE (2020)
現状最新作の本作。
オープニングから大人の渋みが爆裂満開の静かな立ち上がり、ツイン・リードの抒情的なイントロを経て、突撃ナンバーへとアゲていきます。
橋本氏の声はいい意味でザラついた感じ増しておりシャウトに新たな表情が追加されて、またもや表現の幅を広げています。
アルバム全体を通して比較的抒情的な側面を押し出したという特徴があり、どの曲もライヴで一緒に歌いたくなるようなパートが含まれています。
いやーカッコいい。
- “EDGE OF A BLADE“ Length:4:53
- “BLOOD AND SCARS“ Length:4:24
- “HOT ROD IMMUNITY“ Length:3:20
- “THE WAY WE ARE“ Length:3:47
- “SILVER SCREEN HERO“ Length:4:59
- “CYCLOPS“ Length:4:27
- “MACHETE III“ Length:4:45
- “SUPERNATURAL OUTLAW OF THE COSMIC VOID“ Length:3:55
- “SCIENCE SPIRIT HITS“ Length:4:41
- “ARE YOU READY“ Length:5:17
- Personnel
- 阿部洋介 – guitar, backing vocals
- 安井義博 – bass, backing vocals
- 丹下眞也 – drums
- 橋本直樹 – vocals
- CERECLOTH / NAGLFAR
- GENERATION ANTICHRIST / ONSLAUGHT
- V / HAVOK
- S&M2/ METALLICA & SAN FRANCISCO SYMPHONY
- EXPLOVE!! -STUDIO JAM- / ANTHEM feat.GRAHAM BONNET
- ENDARKENMENT / ANAAL NATHRAKH
- EMPIRE OF THE BLIND / HEATHEN
- METAL CITY / REVEN
and more…
MY FINAL DAY / OUTRAGE (1991)
マイ・ファイナル・デイ / アウトレイジ
アウトレイジの歴史を振り返った後で、やはりこの曲を勧めたいわけです。
当時こんな音を出せるバンドが日本にいるなんて想像もしていなくて、最初はてっきり海外のグループだと勘違いしていました(日本人をナメるのもたいがいにしろって話ですよね)。
印象的なSEと緩やかな旋律で始まるオープニングは、聴く度に毎回ハラハラさせられソコが気持ちいいワケですが、ライヴでもこのSEが流れるだけで怒号のような歓声があがります。
シンガロング必須のイントロ「My! Final! Day!」を、筆者も若い頃に京都の小さな老舗ライヴ・ハウスで一緒に叫んだコトがありますが(確か5thアルバム「スピット」のツアー)、このキャッチー&シンプルなメイン・テーマは一瞬で聴衆全員がライヴに参加出来る、強力なツールとして機能します。
当時はライヴでも立ち居振る舞いもよくわかっていなかったし、何より詰めかけているお客さん達の見た目が怖過ぎて、全然前の方なんかには行けませんでしたが、一緒に声を張り上げる一体感は感じていました(でライヴが始まると、怖そうに見えた人たちはもっと怖そうな行為を始めて、どうしようかと思ったものです)。
Aメロのリフが実に阿部氏らしい名リフでして、16分の高速オルタネイト・ピッキングに対し裏拍で展開を入れるのが、単調になりやすい突撃リフに疾走感を付加してくれるんですね。
これは阿部リフにおいて初期からよく聴かれるヤリクチで、彼が音楽的なバックボーンとしてスラッシュ以前のNWOBHMもルーツに持っている事が大きく影響していると思われますが、演奏技術的にも高度であり個性的な味わいの一つです。
とにかくアウトレイジによって開かれた扉は少なくありませんでした。
日本にも彼等みたいな凄まじく攻撃的でテクニカルなバンドがいるというコトを知り偏見を捨てて国内バンドにも目を向けるようになったリスナーは多かったでしょう。
筆者もアウトレイジにハマった後、それまで意味も意識もなく無視していた素晴らしい国内メタル・アーティストをたくさん知るコトになります。
いってみれば恩人みたいなバンドです。
アウトレイジのアルバムで一番好きなのは1996年発表の6th「ライフ・アンティル・デフ」で、もうそれこそ何度繰り返し聴いたか判りません、いや今でも聴いてるからまだ現役です。
でも、アルバム全体のバランスが一番良いと思うのはこの1991年発表の4th「ザ・ファイナル・デイ」ですね。
一曲目がタイトル・トラックでもある「マイ・ファイナル・デイ」で、続く2曲目の「マッドネス」のイントロへの繋がりなんか、鳥肌立っちゃうよ。
最後に
2018年にアウトレイジは結成30周年を迎えました。
一言でいっちゃったけど、30周年ですよ。
30年、同じバンドが作品を発表し続けているコトって、日本の音楽業界では決して多くありませんよね、もちろん存在していないわけじゃないですけど。
このバンドについては思い出はいくらでもあるので、今回はアウトレイジの第一回ってコトで宜しくお願いします。■■
■参考資料
OUTRAGE Official Website / Outrage – Wikipedia – ウィキペディア / Outrage – Wikipedia / BIOGRAPHY – OUTRAGE | アウトレイジ – UNIVERSAL MUSIC JAPAN / スラッシュ/ハードコア/スピード・メタル ディスク・ガイド (BURRN!叢書)
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