ベビーメタル 2nd「メタル・レジスタンス」の全曲感想を書いてみる

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ベビーメタルを毎日聴く毎日を過ごしています。2ndから好きになった身としては2ndメインで聴きがちです。2ndアルバムは本当によく聴いています。隙あらば聴くといった日々を過ごしていますね。

 発売後、既に多くのモッシュッシュメイト諸兄によって語り尽くされたであろう全曲感想を、今更ながら書いてみようと思いますよ。

「メタル・レジスタンス」全曲感想

自分なりに聴き込んだ状態ではありますが、的外れな事を口走ってしまう可能性もゼロではありませんいやむしろ口走るに違いありません。何卒生暖かい目で見てやって、おかしな言動については大人の心で華麗にスルーしてあげてくださいね。

01.ROAD OF RESISTANCE

感動的なツインリード(伴奏担当をリズムギター、旋律担当をリードギターと呼び、2本のギターが同時に旋律を担当する構成を特にツインリードと呼びます。多くの場合で、クサいメロディになりがち。日本人好み)のイントロから始まる、ベビーメタル第2楽章開幕といったところでしょうか。コーラスの使い方も大仰で雰囲気たっぷりです。イイですね、メタルの方法論的にもド真ん中の直球です。基本的にGメロ(ギターが奏でるメロディのこと)が声を出して歌えるようなものは印象に残りやすい半面、シンプルなラインにする必要があるので良く練り上げる必要があると思うわけですが、この曲のオープニングは新参者でも胸が熱くなる劇的な何かが込められているように感じました。

 正直、このイントロだけでもう目が熱くなります。

 そしてそこから、怒涛のブラストビート(言葉にすると超速い2ビート。通常は180bpm以上の16分音符を手足に振り分けたリズムの事を指す。速すぎてビートとしてのグルーヴやノリは失われるが、疾走感とノイズ感が増す奏法。出来る限り最速に口で「ズタズタズタズタ」といえばブラストビートぽいね)で疾走!タメにタメた激情を一気に吐き出すかの如き展開と美旋律Gメロの追撃ちは、体中の血液を沸騰させるには充分過ぎる材料です。

 哀愁メロで、日本語歌詞がはっきりと判る歌唱を被せられると、おっさんの僕などはもう涙腺決壊を止められないんですよね。今でもこの曲を聴く時に、何か別の作業をするなどして曲から意識を遠ざけなければバンバン涙ぐんでしまいます。そう言う人いませんか。

くじけても何度でも心の炎燃やせ
Now is the time! Is the time!
今この瞬間を
Is the time! Is the time!
共に生きる
Just now is the time! Is the time!
明日の君に歌うよ
さあ時は来た

  (´;ω;`)ウッ… こんなん泣くでしょ。そら泣くよね。泣かないヤツなんていんの?いやいないよね。こんな真っすぐな歌詞を2016年に聴く事になろうとは誰が想像出来ましょうや、いや出来ません。

 からの、サビでの転調もベタながらこうiう場面では最高の演出です。サビ前までは長いネタ振りだったとさえ云える程に、SU-METALのノビる高音の開放感が、凄まじい高揚感を与えてくれます。

 ツインリードのGソロでも再びブラストビートが待っていますが、ミックスのバランスが丁寧に調整されていてアタックがマイルド(ドラムは打撃音を利用する楽器なので、その打撃が起こった瞬間の音をどのような音質に調整するのかという部分が音作りの上で重要になる。ベビーメタルのアルバムにおいてはブラストビート時に打撃音を和らげた音質に調整する事で、他の楽器の音とバッティングしないような工夫が成されている、と感じる。ライヴ音源を聴くとかなりアタックが強く感じられる。ライヴに行きたいライヴに行きたいライヴに行きたい)になっているのは上手な采配だと思いました。

 メタル脳的にはココでガツンとキてくれてもいいワケなんですが、後に待っているブリッジ(メインの歌メロディ間のつなぎの当たるパートの事。音楽のジャンルによって指し示す内容が変わるが概ねメタルやロックにおいてはサビあとの2コーラス目までの間奏や、2回目のサビあとの新展開までの間奏などにあたるが、定義はかなり曖昧。なのに結構使われる単語)や2回目のGソロ、Cメロ、の展開を際立たせるに、これくらいのピークにしておくのは納得出来ます。この曲に限らずベビーメタルのアルバムは、楽器隊のミックスバランスが実に丁寧です。ここは突いて(突く:レコーディングした音源の周波数帯域別に音量を調整して変化させるイコライジング作業において、楽器毎に他の楽器や歌とカブっている周波数帯を切って全体が馴染むように調整する際、ある周波数帯域の音量を上げることを「突く」といったりする。下げる時は「削る」といったりもする)行こう、ここは引いて行こう、の判断がドンズバなんですよ。

 シンガロング(sing alongのこと。コーラスやサビ、時には主メロディをアーティストとオーディエンスが共に歌うこと。LIVEの醍醐味の一つ)を想定したブリッジは、LIVE会場で拳を振り上げて叫ぶオーディエンスが目に浮かび、コレもまた涙を誘います。嗚呼!LIVEで一緒に絶叫したい!

 曲のラスト、SU-METALが放つギリギリのシャウトが胸に刺さります。そしてまた泣きます。

 初回にアルバムを聴いた時には、本当にこの曲の威力に愕然としました。リーダー・トラック(アルバムの一番最初に収録された曲の事)生涯ランキング上位確定です。

02.KARATE

1曲目から飛ばし過ぎました(もう1000文字以上書いちゃった)。しかし続く2曲目の「カラテ」も一筋縄ではイかせてくれない名曲なんですよね。

 イントロのヘヴィなリフ(主にはロック、メタル、ジャズ界隈で使われるスラング的単語。楽曲のアイデアや繰り返される伴奏のまとまりの事を指す。単なる伴奏とメロディ演奏の中間的存在で、HR/HMにおいては歌メロより強く印象に残る事も多い。というかHR/HMは殆ど、リフを聴く為の音楽といっても過言ではない)で、イキナリ心を鷲掴みです。一曲目はスピード感マシマシだったからお次はヘヴィネスなのな、イイネイイネ、ローチューニング(ドロップチューニング、ローダウンチューニングなどともいう。通常ギターやベースの最も太く最も低い音を出す弦はEにチューニングされるが更にその音を下げたチューニングにする事で、通常のチューニングでは表現出来ない低音を用いた楽曲を演奏出来る。スリップノットやカーカスと云ったバンドの曲ではローBまでダウンした超低音ヘヴィチューニングの演奏を聴く事が出来るが、もはや物理的な限界である。弦ダルッダルである)が気持ちイイね!と思わせておいて、セイヤ?!ソイヤ?!ちょちょっと、可愛い過ぎやしませんか?この調子でコミカルな展開か?!と思ったら哀愁メロのサビが胸を打つ、むっさ美しい曲でした。

 Aメロ(ロックやメタルの典型的な曲構成の1例として、イントロ-Aメロ-Bメロ-サビ-ブリッジ-Aメロ-Bメロ-サビ-ソロ-Bメロ-サビ-アウトロ、といった形式がある。Aメロは曲の導入部にあたるメロディラインの事)のラインは独特の響きがありますね。和風のスケール(音の高低をある規則で並べたまとまりの事。有名なのは琉球メジャースケールなどで、レとラを抜いたド・ミ・フ・ァ・ソ・シのまとまりで曲を作ると必ず沖縄風のメロディになる、とかね。様々なスケールが存在するが、ギタリストの9割がスケールオタクと考えて良い)なのかな。HR/HM界隈ではあまり聴かれない音階で、意表を突かれる感じが個性的ですね。あと、歌に意識がいってしまいがちですが、1コーラス目のバスドラ(ベースドラムの略称。ドラムセットの中で一番大きな太鼓で、基本的にドラマーの右足が支配している)と弦楽器隊のユニゾンリズム(基本的には2つ以上の音が同時に重なった場合を指すが、メタルの世界ではリフのリズムとベース、ドラムのリズムが一体となって重戦車の如き音の塊を構成するケースが多く聴かれる)がトリッキーでカッコイイですね!

ひたすら
セイヤソイヤ戦うんだ
拳をもっと
心をもっと
全部全部研ぎ澄まして
まだまだ
セイヤソイヤ戦うんだ
悲しくなって
立ち上がれなくなっても

このサビメロで、僕はまたもや涙腺決壊警報が発令されてしまいます。なんなんでしょうね。なんだか、堪んない気持ちが溢れてしまって気持ち良さと共に涙が止まんなくなるんですよね。この曲も全神経を曲に集中させるコトが出来るのは限られた環境下だけです。普段聴く時はうっすら感覚をボヤかしています。泣いちゃうからね。

 曲は、ラストのリフレインで大きな広がりを感じさせる、壮大なイメージに向かって行きます。1曲の中でこんなに色々なビジュアル的印象が想起されるとは。いや、あるにはあるんですよそういう系の曲がメタル界隈でも。しかしここまでシンプルな曲では珍しいコトなんじゃないかなあと思いました。

03.あわだまフィーバー

デジタル加工されたイントロから続くのは、アッパーヘヴィ・チューン。ローチューニングナンバーを期待していると、独特な雰囲気の歌メロが切り込んできます。この音階もかなり個性的ですよね。このバックにこの歌メロが合うのかーと感心してしまいます。ライヴでは歌うのがかなり難しいでしょうに。SU-METALのスキルの高さを改めて感じます。

 海外のリスナーは、かなり違和感を感じるんではないでしょうか。しかし何故か心地良いという体験をしているのかも。バッキング(楽器による伴奏の事)だけを聴いていると想像出来なかった歌メロなんですよね。

 歌詞も不思議なイメージですね。泡玉ってのはフーセンガムの事のようです。ミント味のタイムマシンという表現が印象的ですな。ミント味に何か想い出があって、その味がするガムを噛むと記憶が蘇って空想出来る、的な解釈をしていますが、いかがでしょうね。

 シンプルな構成でGソロ(ギターソロの事。HR/HMにおける魅力の一つでギタリストが脚光を浴びる腕の見せ所である)もないので、LIVEではコール&レスポンスを楽しむ曲なんでしょう。海外のリスナーが「He! Who! Me! You!」と叫ぶ様を観るのは楽しそうです♪ 

04.ヤバッ!

エレクトロニカ(広義に解釈する機械音楽の事。必ずしもダンスミュージックを指す言葉ではないが、最近はほぼ同義かな)なイントロから、メタル成分薄目の曲である事を想像して、知らずに歌詞に意識が向きます(メタル・リスナーの生態)。そして聴き進むと、ただただ延々と「違う」という事だけを歌っている事に気が付いて思わず突っ込みます。

 コレお前、「右から来たものを左に受け流すの歌(右から来たものを左に受け流すの歌:吉本興業所属のピン芸人、ムーディ勝山のネタで2007年大ブレイクのきっかけとなった歌ネタ。ただただ延々と右から来たものを左に受け流すという事だけを歌っている)」やないかっ。

 この曲、ベビーメタルからムーディ勝山への返答ナンバーだったんだな(ソレも違う)。難しい事考えんな、感じろ、といっている曲なので、素直にノって聴く事をオススメいたします。こういう遊び心が混ざり込んでいるのはベビーメタルの魅力の一つですね。ダンスもちょっとコミカルなので察しろって事ですね。曲の終わり方も超投げっぱなしで、オイ。

 あとどうでもいい事ですが、中盤のサビラス付近間奏前の「違うわー」の部分だけ随分声質が違っていつも違和感を感じますけど、みなさんもそう思いません?別人?!とか思ってドキリとするんですよね。

05.AMORE – 蒼星 –

出頭で「あコレ聴かせる系のやつや」と。リズムが入ってくると、メロスピ(メロディック・スピード・メタルの略称。特徴的な表現として、ハイトーン・ヴォーカル、クサいは速弾きリード・ギター、ツー・バス踏みっぱ、などがある)然としたツイン・リードとスピーディな展開に思わず体が動きます。キタキター。

 サビも高音の解放感がむっさ気持ちいいですねー。Bソロ~Gソロの流れなどを聴いているとついつい昔のハロウィンのキスク時代(ハロウィンのヴォーカルは、カイ・ハンセン、マイケル・キスク、アンディ・デリスの3名で、順にバンドを辞めている。アンディ・デリスになってからは20年以上経つのでもう辞めないハズ)を想い出してしまいます(メタル・リスナーの生態2)。

 また、印象的なのは歌詞の日本語の美しさです。中二感を程よく混ぜ込んだ歌詞で、しっかり聴き取れるってーのが重要だと思うんですよね。

蒼き闇を切り裂いて
彼方を刺す月の影
宵の花に照り映えて
刹那の夢に舞い踊る

 こういう節の調子というか口馴染みの良い語調を、意味とメロディを同時に理解出来るのが日本人である事の醍醐味だと思うんです。海外のリスナーの殆どは意味まで理解せずに聴いているワケなので、曲の魅力が完全に伝わっていないのがもったいない気分にさえなります。厳密にいえば、意味だけ判ってもこの名調子のニュアンスには到達出来ないのですから、ネイティブ・スピーカーにしか味わえない楽しみです。

 因みにですが、普段のメタル・リスナーが丁度逆の立場でして、英語を理解せずにHR/HMを聴いている事がうっすら悔しいのを、元々判別出来る歌唱ではなかったりする事を材料に自分を慰めていたりするんです。あ、僕だけでしょうかね。

06.META!メタ太郎

https://www.youtube.com/watch?v=UIrlE33LVQA

白状しますと、タイトルだけ見て思わずトばそうかと思いました。さーせん。でも大丈夫です、ちゃんと楽しめるようになりましたから。

 この曲はアルバム全体を通して聴くと、この位置に配置された意図がなんとなく判ります。ヴァイナル盤(絶滅危惧メディアのビニール製レコード盤の事。ベビーメタルはヴァイナル盤もリリースしていて驚いた)でいうところのA面ラス曲に当たるナンバーですから、1曲目からスピード・ナンバーで走り抜けて来た脳味噌を一旦仕切り直す役割があるように思います。高揚した血液を通常運転に戻すというか。

 行進曲のようなイメージもあるので、サークル・モッシュ作ってみんなで行進するのも楽しそうですなー。仲良くね。

07.シンコペーション

この曲はアップル・ミュージックなどでは聴く事が出来ないんですね。つまり板(CDやヴァイナル盤などの物理メディアの事)買えや、と。僕も最初はその存在に気づかずつい見逃していたのですが、慌てて音源を手に入れて確認したんです。

 で聴いたわけです。コレがまた別のバンドの音源か!?と思ってしまえる程にベビーメタルの印象からはかなり異質な曲で驚きました。V系バンドのアンセム(元々は聖公会の教会音楽の一種の意味だが、HR/HM界隈では単純に代表曲程度の意味合いで使われる事が多い)・ナンバーといわれたら納得してしまいそうな印象で、実験的な意図を強く感じます。ドラムのアレンジだけはメタリックでニヤニヤしてしまいますけども。昨今のアニメのオープニング曲ぽい印象もありますね。

 タイトル通りシンコペーション(通称「食う」「突っ込む」と呼ばれる)連打のサビは耳に残ります。こういう曲調ながらビブラート(演奏や歌唱において、ある音程を伸ばす時に一定の幅で音の高さを揺らす事。細かく高速なビブラートをちりめんビブラートなんていい方をする。本当にそういう。SU-METALはこのテクニックを敢えて使っていない)を使わないSU-METALの歌唱がハマってるのが、また個性的でグっときます。

07.FROM DUSK TILL DAWN

海外盤では「07.」は別曲なんですね。ネットでFDTDなる言葉を見つけてなんのこっちゃ?と思っていたんですがスッキリしました。

 で聴いたわけです。なんつーかですね。これまた困ったというか毛色が全然違う楽曲で驚きました。敢えて無理矢理言葉にするなら、メタルサウンド的アプローチを施したクラブミュージックの一例、て感じでしょうか。ノイジーでヘヴィなGリフとリズム隊のユニゾンがトリッキーなキメを連発すると、ダブステップ的な味わいにも繋がるものです。この特性を巧く利用しているなという印象ですね。

 歌らしい歌はなく、台詞的な単語とスキャット、コーラス、が乗っているだけです。基本的にインスト・ナンバー扱いでしょう。ただ、SU-METALのコーラスは美しく高音のレガートで、聴く価値アリです。

 つまりクラブ・シーンを強く意識している事は容易に窺い知れるワケです。この音源使ってねー、的な思惑があるのかなと思いました。そう思いながら聴いてみるとアンビ的な印象も生まれてきます。

 戦術としてニクいのは、音階がやはり日本的な味わいを含んでいる事でしょうか。ベビーメタルの曲からは隙あらば日本風味を織り交ぜようという意図を、ビシビシ感じます。ココがベビーメタルの成功が痛快である理由の一つだと思います。

08.GJ!

キャッチーなロックのあとは、しっかりヘヴィリフが帰って来てまたまたニヤニヤしていると、可愛いゆいもあのラップがカブってきて一瞬かくんと力が抜けます。でも聴いてるとサビもキャッチーだし「もっともっとホラ!もっともっとホラ!もっともっとホラ!」と煽られてアゲられてしまいます。

 内容自体は、ライヴガチ勢の事を歌っていて微笑ましいですな。「サークルモッシュ」「ウォール・オブ・デス」「ダイヴ」「モッシュピット」「ハーコーモッシュ」「圧縮」「剥がし」なんて単語は、ベビーメタルが登場しなかったら死ぬまで知らなかったかもしれない人達も多いワケで、今更ながらエンタメの力ってスゲーなーと不思議な気持ちになります。多分、非メタルのメイト諸氏もちゃんと意味を調べてとっくに周知なんでしょう。しかも、多くの海外リスナーまでベビーメタルを支持しているワケです。これらの言葉がワールドワイドになるきっかけになっているとしたら、やっぱスゲーなーと思う事しきり。

 あ、非メタルのみなさんは中途半端にウォール・オブ・デスなんか参加しちゃダメですよ。時には死人が出るような行為なのでね(僕はまーまー嫌いじゃないですけど)。

09.SIS. ANGER

タイトルからしてメタリカのパロディだなと判ります。てことはヘヴィ・ロックのスピード・ナンバーかなーなんて思っていると、完全にブラック・メタルで意表を突かれます。ほーほーと思っていると、ゆいもあの続きでもう一回意表を突かれます。

 バックの演奏は上質のブラック・メタルなんですよ。DISSECTION的なチリチリ単音リフがカッコイイ!むっさ好きです。

 基本的に誰かの事をボロカスに叩いている怒りの歌なのに、ゆいもあの声で歌う事でまたもや不思議空間が展開していますねー。

ごめんねえ?ゆるしてえ?どうしよっかなー?

 ただ詩の内容をしっかり聴いてみると、プロ意識や心意気を表明しているかのような熱い歌なんですよね。歌詞を読んで聴き直して、おおいいじゃんこの曲、と偉そうに見直してしまいました。

 一応参考動画、貼り付けておきますね。

10.NO RAIN, NO RAINBOW

ピアノとストリングスのイントロが美しくも哀しい曲ですね。このアルバム全体を通して唯一のバラードナンバーで、SU-METALが本当に歌唱力がある事を裏付ける曲でもあります。いや歌唱力があるっていい方は厳密には違うかもしれません。個性が際立つ、かなあ。また、ほぼ唯一?彼女のビブラートが聴ける曲でもありますね。

 楽曲を作る上でエンドレス・レインをやりたかった(バンド「X」のライヴでほぼ必ず演奏される曲で、オーディエンスとの合唱が起こる曲。合唱曲はライヴの楽しみの一つなのである)という気持ちからスタートしたのかもしれませんが、ちゃんと模倣以上の作品になっているなと思います。

絶望さえも光になる

このサビが胸を打ちます。哀メロのツインリードとピアノのアンサンブルが絶妙過ぎて、勝手に恋人が死んでしまって落ち込んでいるような気分になってくるから不思議です。大丈夫です、僕はそういう経験していませんから。

 ツインリードのソロは「X」を想い出さずには居られず、ちょっと笑ってしまいました。いやアカンて意味じゃないんですけど、なんか笑えたんですよね。しかしこれはメタル愛の表出だと理解しました。

11.TALES OF THE DESTINIES

最強のプログレ(プログレッシヴ・ロックの略称。「Progressive」は「革新的な、進歩的な」という意味だが、プログレッシヴ・ロックがこの世に登場して40年以上経っているので本来の意味はとっくに失われている。HR/HM界隈では主に、1.演奏がテクニカルで難解、2.歌はメインではない、3.総じてインスト曲が多い、4.大作主義、5.コンセプト重視、と云った特徴を持つバンドをそう呼ぶ)ナンバーです。あとカオティック・コア(カオティック・ハードコアが正式名称。でも単なる和製英語で海外では全く通じない。ラウドミュージックに限らずあらゆる音楽のジャンルを縦断しごちゃまぜにした後でブラストビートのふりかけをかけた感じの音像)の側面もあります。まあカテゴライズはこの際いいですね。この楽曲がこの位置に配置されているのは、続くラス曲への序章という事でしょう。イントロのテーマも共通ですし。

 トリッキーというか変態的なキメの連打や、拍子がどうなったのか見失う程の構成は、ポップな歌メロも売りの一部であるベビーメタルにとって、かなり危険も伴う実験性に満ちています。しかしこの曲はアルバムに収録された。ココにもKOBAMETAL氏の野心的な作戦が見え隠れしていますよね。

 ドリーム・シアターを聴きなれているリスナーにとってはニヤニヤしてしまう展開やコード進行が矢継ぎ早に投下されるので、この曲が一番楽しめたというメタル・リスナーもいるかもしれませんね。

 言葉で説明するのが野暮に思えるような魅力が詰まった名曲だと思います。この曲を聴くと、ベビーメタルの3rdはコンセプトアルバムかなーなんて妄想も広がっていたのを思いだします。KOBAMETAL氏のイマジネイションに感服。

12.THE ONE

僕が初めてまともに向き合って聞いたベビーメタルの曲は「ザ・ワン」でした。これから聴いたんかい!と怒らないでください。だって勧められたんだもの。でPVを観たのが最初の接近遭遇。これはあかんわ。こんなんされたらハマるわ。

 壮大な広がりを感じさせるギターのメインテーマを聴いただけで「あ好き///」って思ってしまいました。

 そしてまさかの英詩で仰天です。ま英語の発音自体が凄まじく上手なワケではありませんが、ソコはどっちゃでもいい事です。このままで全然正解ですから。

 全編を通して、この程度の英詩含有率に留めているコトは、本当に絶妙な塩梅ですね。

 ギリギリのセンで踏み止まっている感じは、明らかに狙った結果なんだろうなと思います。メタル脳ならではの判断だと思うので、絶賛したいなと思います。

 曲構成、アレンジ、共にハイレベルなメタル的施策によって構築されているにも関わらず、J-POPとしてのキャッチーさ、コマーシャル性が溶け込んでいる事に大変驚きました。

 結果論ですが、僕はいい出逢い方をしたんだろうと思います。

最後に

これで一応現在発表されているマルバム収録曲総ての感想を書きました。感じ方はどんどん変わっていくので、ちょくちょく加筆修正するコトになりそうな予感です。とりま今のトコはこんな感じでした。■■