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1990年代にスターが見せた陰鬱さへの挑戦

今日の一曲-042

HOOLIGAN’S HOLIDAY / Mötley Crüe

彼らのキャリア中、ヴォーカリストを替えて制作されたアルバムが1枚だけあります。

それが自身のバンド名を冠したアルバム「モトリー・クルー」です。

このアルバムを発表する前に、それまでフロント・マンとして活躍してきたヴィンス・ニールがまさかの脱

退、ソロ・プロジェクトを立ち上げてしまいました。

真偽は定かではないのですが、ヴィンスは解雇されたという事になっています。


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モトリー・クルーの顔ともいえるヴィンスの声を失ったバンドは新たにジョン・コラビを迎え、新たな方向性を示すべく制作された作品は、それまでのモトリー・クルーとは確かに味わいが違っていました。

つまり1990年代にロック・シーンを席捲したグランジやモダン・ヘヴィネスへの歩み寄りを見せたんですね。

それまでは、陽気でグレイト(←)なハード・ロック、L.Aメタルだった彼らが、ヘヴィでノイジーなリフを引っ提げて陰鬱な世界観を楽曲に取り入れたわけです。

この頃は本当にそういう流れがそこかしこで起こっていて、概ね古参ファンからは「NO」を突き付けられていました。

まあそりゃそうですよね、自分達が好きで応援していたスタイルをミュージシャンが次々と宗旨替えしちゃうんですから。

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しかしとにかく、そうせざるを得なかった時代背景は確かにあったんです。

キラキラしてピッチピチの衣装で、豪華絢爛にステージを飾るコトは突然「ダサい」ものになってしまったんです。

それも割と短い期間で。

モトリー・クルーも例外ではなく、ニュー・アルバムのリーダー・トラックとなったのがこの曲でした。

のっけから重たいリズムが展開し、新加入したジョン・コラビのしゃがれたヴォーカルがガナります。

僕としてはこのアルバムでのジョンの仕事っぷりは素晴らしいと思っています。

もちろんヴィンスとは全然タイプの異なるシンガーだけど、コレはコレで素敵だと思いました。

でもまあ、多くのファンはそう感じなかったみたいです。

その気持ちも痛いほど良く判ります。

つまりこのアルバムは、最初からクリアすべきハードルが高すぎた、というかそもそも超えられないコトが確定しているハードルだったんじゃないでしょうか。

最後に

いずれにせよ、ジョン・コラビのコトはこのアルバムで知って以来、僕のお気に入りシンガーです。

最近活動しているバンドも追い掛けているので、いずれ紹介してみようかなと思います。

最後に、ジョン・コラビは後にセルフ・カヴァー(というのか?)したヴァージョンも張り付けておきます。

これはこれでよくない?■■