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ソート・インダストリィのアルバムを聴いてみたら、思ってたより凄かった

1993発売、ソート・インダストリーの2ndアルバム「Mods Carve the Pig-Assassins」を聴きました。


今でいうカオティック・コアなどにカテゴライズされる音楽なんでしょうけども、93年に既にこの方法論で作品を作っていたことがオドロキです。

恐らくは過激な飛び道具を持ったスラッシュメタルという印象だったんでしょうかね?

いや、プログレ・メタルとして認識されていたのかな?

音色も個性的で、とにかくヘンです。

まずはその音を聴いてみてください。

Horsepowered

激情を吐き散らすスタイルは、ハード・コア・パンクのようでもあり、しかし猪突猛進するだけの単調な楽曲ではありません。

あれ?鍵盤も入ってるぞ、どんな編成なんだ?と不思議な興味を惹かれませんか。

目まぐるしい曲展開で様々なノリが矢継ぎ早に表現されては吹っ飛んでいく感じ。

歌はデヴィン・タウンゼンドを思い出させるような、太くイイ声ですしね。

では次いってみましょう。

Deterape Cookbook

冒頭から、ヤバいベースの音を聞かせてくれます。

この曲はよりパンクぽい世界観ですね。

ただしメジャーなコードは全然登場しませんけども。

独特のハネたグルーヴがありますね。

サウンドはゴリゴリに歪ませているわけでもなく、必ずしもメタルの大陸を目指しているワケではなさそうです。

何にせよ、曲展開がいつも唐突で面食らってしまいますが、不思議と不快感はないでしょ。

じゃ次はインスト曲です。

To Build A Better Bulldozer

どうですかこの曲。なんとも不穏ですよね。

プログレッシヴな印象が強いでしょうか。

ドリーム・シアター登場の同時期に、こんなことやってるバンドがあったって事ですよ。

カオティックながら、気持ちいい展開だと思いませんか。

さて最後はちょっと意外な曲です。

Patiently Waiting For Summer

このバンド、ガッツリ歌モノのロックもプレイするんです。

これがまた、めためた美しい曲でしょう。

バッキングのギターもちょっと物悲しい響きが美しいと思います。

コード進行やメロディの雰囲気は、スティーヴ・ヴァイぽい部分もあるでしょうか。

聴くべきアルバムは5枚ある

ガチャガチャと煩雑な中に変態的な構築美を持ち込んだ曲、メロウな歌モノ、完成度の高いスラッシュ、それぞれが本当にゴッタ煮状態で一枚のアルバムに収められている印象です。

まるで別バンドの音源にさえ聞こえる程にバラエティに富んだ内容です。

富んだというか跳んだというか。

残念ながら、5枚のアルバムを残して解散しています。

今こそ受け入れられる可能性があるなーと思うのですが、いかがでしょうか。

このアルバム、激烈にプッシュしたい。

って27年も前のアルバムなんですけどね……。■■