で結局、グラインド・コアをどう薦めればいいのか結論出てんのかな

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デス・メタルや、グラインド・コア、ハードコア・パンクなど、メロディの優先順位が音の突撃性よりも低いタイプの音楽は、明らかに少数派の好事家によって狭く深く楽しまれていますよね。

なんだったら、こういった音楽しか聴かないもんね、という向きの人も結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。

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僕としては、音楽に求めるものがただ一つの性質ではありませんので、こんなのも好きだしあんなのも好きというコウモリ的趣向性を標榜してはいるものの、「好き」と言ってしまう以上は「なんとなく好き」程度のヌルいファンではいたくないなーと思っています。

鼓膜を痛めつけたい衝動

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オールドスクールなドロドロ・グチャグチャなデスも味わい深いと感じますし、メロディック・デス・メタルなんかも好きです。

エクストリーム・ミュージック全般をおいしく食べれるクチですので、本来のアンチ・ミュージック的姿勢が失われたデス・メタルにも全然寛大。

でも暑い夏、そういうものではなく何故か更に暑苦しいグラインド・コアなどを聴きたくなったりもします。

メロディアスなものを排したくなるわけです。

間違いなく不快な行為と判っているのに、音の圧力で鼓膜をグイと押してしまいたくなるので、自虐効果のある音楽、自傷行為たる音楽、とは言い過ぎているけど、遠からずそんな意識でもって、それらの音源を手にとります。

しかし当然ながら、そういう気分になれたのは経緯というか順序がありました。

欲求のバリエーション

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本来「音楽を聴く」という行為は、楽しむとか気持ちよくなるとか、そういったポジティヴな結果を期待していると思います。

ただそのポジティヴさにも色々の種類があって、全方位的に「イイ」というもの以外もありますよね。

例えば肉体的な負荷があった先に気持ち良さが待っている、とかってあるでしょ、ランナーズ・ハイ的な事とか。

人生には色々なタイミングというのがあって、自分を痛めつけてみたくなる事自体は然程珍しくないと思うんですが、僕にもそういう時期があったんですね。

そのタイミングが到来したきっかけや理由はもう覚えていませんけど、でその時僕は音楽の方面で、自分の耐性にチャレンジしてしまうわけです。

どこまで耐えられるかな、どこまで楽しめるかな、といった、好奇心充足以外に殆ど意味のないチャレンジです。

エクストリーム・ミュージックの入口

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メロディが音楽の全てではないという当たり前の事を自覚したのは音楽を聴くようになってから思えば、随分と後のことでした。

僕は3歳から鍵盤を習っていましたが、グラインド・コアを聴くようになったのは19歳くらいだったと思います。

スレイヤーを入り口にして緩やかに地下音楽に降りていく途中、ナパーム・デスやアナル・カントに足を踏み入れた頃には、鍵盤を習って得た知識があまり通用しない音楽世界への好奇心は、極端な勢いを持って突き進むのみとなりました。

若い若い。

最初はほんのり苦痛を伴います、当然ながら。

それまで「美しい」とか「カッコいい」とか「気持ちいい」とか感じていた要素とは、一見別物の音に触れるワケですので。

ドコに魅力があるのか判らない状況は不快でしょうから、「理解出来ない」は簡単に「嫌い」に変化しがちです。

それでも最初の不快から一歩踏み込んで「もうちょーっとだけ聴いてみようかな」と思えるには、出逢い方がやはり重要です。

そしてそれって、ハード・ロックやヘヴィ・メタルでも同じ事が言えますよね。

僕でいえば、1987年発表のナパーム・デス:デビュー・アルバム「スカム」を、ベーシストの友人から借りて「ナニコレかっこいい」に偶々到達してしまったわけです。

多分これが2ndアルバムだったらそうはならなかったと思うんですね。

じゃあ同じように、誰かに「聴いてみて」とCDを渡してもなんだか魅力が伝わる気がしません。

いきなりライブに連れていくのも違う気もするし。

今はウェブで簡単に音源をサンプルとして聴く事も出来るので、ダメモトで聴いてみるのもいいのでは、と消極的に薦めてみます。

タイミングさえ合えばもしかしたら、気に入るかもしれないじゃん?

マニア性が魅力ってのはある

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「周りに聴いてる人が居ない」という状況が、「マニアックであるという状況を無条件に好む」という浅はかな楽しみに転嫁できた可能性は否定し切れません。

クイーンやメタリカを聴く感覚とは別の神経で楽しむ音楽として、グラインドに一時期ガッツリハマりました。

音質が劣悪な音源と、劣悪かつ悪趣味なジャケットに、うへーといいながら、一人黙々と音源を漁ってライヴにも出向いていました。

どうやって伝染させるか

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コレについては長年答えが見つかっていません。

極端な性質を持っている芸術は、人から薦められたのではなかなか自分の奥深くに入ってこないのと、少し似ている気がします。

何か自分なりの解釈も持てる機会があって、偶然その魅力に気がついてしまう、とそんな感じなのかなあと。

そういうワケで、僕の身の周りでは、グラインド・コアの趣味について語り合うような友人がいません。

もしかしたら、そも良さを語り合う類の音楽などではないのも知れませんけども。

最後に

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必ずしも「音として」高品質なものではないのがポイントです。衝動を誘発する音ってのは、あるもんですねえ。

ちょっと聴いてみてー。■■