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【厳選】’80年代末期「バンドブーム」を代表する50バンドを解説&名曲紹介(懐かCM付まとめ一覧)

唯一無二の個性派

当時も今も、全くフォロワーを生まない、尖り過ぎた個性を持つバンドも多数生まれました。

そういう特異なミュージシャンがこの4年間の間に、次々と出現したのですから、やはり異常な時代だったんでしょうね。

30.たま

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  • 1984年に3人で結成、1986年に4人体制となり1990年にメジャーデビュー
  • 1996年から再び3人になり、2003年に解散
  • 代表曲:さよなら人類、らんちう、オゾンのダンス、あっけにとられた時のうた、and more…

’80年代後期バンド・ブームの音楽的な幅の広さを象徴する存在が、このバンドではないでしょうか。

バンドというスタイルそのもののイメージを改革してしまった存在であり、音楽の在り様についてその地平をグングン拡大した功績が大きかったように思います。

その強烈すぎる個性にフォロワーが現れるはずもなく、前後を探してもほぼ唯一のジャンル、世界観、と呼んで差し支えないのではないでしょうか。

そして何よりも、このへんてこりんなバンドが日本中を巻き込んで爆売れした事が特筆すべきで、天地人の総てが合致した瞬間だったと言えるでしょう。

また「へん」なだけなく、メンバー全員が作詞作曲の出来る優れたミュージシャンだったことや、全員が複数の楽器を扱えることなど、音楽的背景が充実していた事も彼らの魅力の一つです。

さよなら人類 (1990)
オゾンのダンス(1990)
【TVED】フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」(1996)

31.人間椅子(にんげんいす)

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  • 1987年活動開始、1990年メジャー・デビュー、現在も活動中
  • 代表曲:りんごの泪、針の山、幸福のねじ、もっと光を!、刀と鞘、and more…

さて、日本が誇るHR/HMバンドのご紹介です。

イカ天をきっかけにメディアに登場した彼らですが、当初はそのステージ衣装や曲タイトルからイロモノ的な印象を持たれる事もありました。

しかし音を聴けば、明らかにホン意気のHR/HM伝道者であることは伺い知れます。

特徴的だったのは、’80年代に世界を席巻しブームとなっていた派手派手しいグラム・メタルやヘア・メタルの類ではなく、’70年代を彷彿とさせる禍々しくもドロドロとしたマグマのような、ディープなメタルを下敷きにしていた事でしょう。

ブラック・サバスやKISSなど、当時既にレジェンドとして認識されていたバンドへのオマージュや憧憬を発散しまくっているバンドで、このイメージはデビュー以来まったくブレていません。

近年でも変わらず活動を続けており、youtubeでの海外リスナーによるリアクション動画などで話題を集める事も増えてきました。

筆者は日本語を理解出来る喜びを与えてくれるバンド、として爆裂敬愛申し上げています。

針の山(1990)
りんごの泪(1990)
人面瘡(1991)

32.筋肉少女帯(きんにくしょうじょたい)

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  • 1982年活動開始、1988年メジャー・デビュー、1999年解散
  • 2006活動再開、現在活動中
  • 代表曲:ボヨヨンロック、踊るダメ人間、サボテンとバントライン、香菜、頭をよくしてあげよう、and more…

ケラ率いるナゴムレコードでのインディ・デビューを経てメジャーに飛び出したバンドです。

彼らの音楽はなんと表現していいのか困ってしまいますがソレは、あまりに個性が強いというプラスの側面についての裏返しでもあると思います。

オーケン(大槻ケンヂ:Vo.)の描く歌詞世界の異様さに加え、各楽器隊の異常とも言える技術力の高さ、表現のレンジの広さが、筋少の独自性を唯一無二のものに仕上げています。

メンバー・チェンジが非常に激しいグループとしても知られており、過去に在籍した或いはサポートメンバーとして参加したニュージシャンが大勢いますが、最も有名な編成は通称22期と呼ばれる5人(’90年代筋少)です。

ステージ衣装、楽曲、歌詞、メイク、などなど当時のサブ・カルチャー的な演出を散りばめまくっており、この時代に筋少にハマってしまったリスナーは、後の趣味趣向に大きな影響を受けた事でしょう。

2015年には人間椅子とのコラボレーションとして「筋肉少女帯人間椅子」名義で、人間椅子とのダブル・バンド形式のシングルを発表しました(嬉しかった)。

釈迦(1988)
踊るダメ人間(1991)
これでいいのだ(1989)
【CM】キリンビバレッジ「ポストウォーター」(1993)

33.KASUTERA(カステラ)

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  • 1986年より活動開始。1989年にメジャーデビュー、1993年に解散
  • 代表曲:ビデオ買ってよ、さっき死ぬとこだったよ、掃除のプロ、B型独立宣言、訴えてみよう (訴訟社会を目指せ)、and more…

大木知之(Vo.)の双子の兄が大木温之(The ピーズのVo.)である事でも有名でした。

カステラはとにかく声を聴いて一発で覚え、曲を聴いてもそのハッピーながら独特の視点やブラック・ジョークを内包点をした歌詞でまた覚えてしまう、唯一性のある個性を強烈にアピールしていたバンドです。

そこ歌詞にするか?」と思えるような、およそ音楽で聴いた事のない歌いまわし、フレーズがバンバン飛び出す、びっくり箱的な楽しさを持っているバンドでした。

ブームの終焉に伴い解散したのち、大木知之はソロ・ユニット「TOMOVSKY」として活動を続け、兄・大木温之 とも合流を果たしています。

現在もインディとして活動継続中。

ビデオ買ってよ(1989)
体力に限界はあるのか(1989)
さっき死ぬとこだったよ(1992)

34.JITTERIN’JIN(ジッタリン’ジン)

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  • 1986年活動開始、1986年メジャー・デビュー、現在も活動中
  • 代表曲:エヴリデイ、プレゼント、にちようび、夏祭り、and more…

彼らもまた、後にも先にもフォロワーのいない、超個性的なバンドの一つでしょう。

軽快な2ビートのリズムにクリーンでキレのいいカッティングGt.が乗り、各楽器の演っている事が程よくわかるような空間のあるアレンジが印象的です。

何より楽曲が超ポップでノリが良いうえに、春川玲子(Vo.)の良く通る歌声が心地よく、聞けば誰でも一発で記憶に残るんですよね。

筆者は、名曲「プレゼント」を初めて聴いた時の衝撃を今でも覚えています。

「こんなのアリなのか!?」と。

名曲「夏祭り」は、2000年にガールズ・バンド「Whiteberry(ホワイトベリー)」がカバーして、スマッシュ・ヒットとなりましたが、オリジナル版をリアルタイムで知っている筆者のようなリスナーにとっては、どうしてもコレジャナイ感を感じていたことかと思います。

彼らもまた、現在インディで活動を断続的ではありますが継続しているようですね。

プレゼント(1990)
にちようび(1990)
夏祭り(1990)

35.BO GUMBOS(ボ・ガンボス)

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  • 1987年活動開始、1989年メジャー・デビュー、1995年解散
  • 代表曲:魚ごっこ、助けて!フラワーマン、泥んこ道を二人、ダイナマイトに火をつけろ、and more…

’80年代初頭に活動開始した「ローザ・ルクセンブルグ」というバンドのメイン・ヴォーカリストであったどんと(久富隆司:Vo.)と永井利充(Bs.)が同バンド解散後に結成したのがボ・ガンボスです。

このバンドもまた、後にも先にもフォロワーのいないオリジナリティに溢れたグループです(そもそもガンボ・ミュージックなんて、ボ・ガンボスでしか聴いた事ないですよね)。

ピアノを大胆に取り入れたアレンジが多く、また様々なルーツ・ミュージックをベースにした非常に多彩な音楽世界を表現しており、この味はここでしか味わえない、というバンドでしたね。

魚ごっこ(1989)
泥んこ道を二人(1989)
助けて!フラワーマン(1989)

36.THE BLANKEY JET CITY(ザ・ブランキー・ジェット・シティ)

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  • 1987年活動開始、1991年メジャー・デビュー、2000年解散
  • 代表曲:不良少年の歌、冬のセーター、悪いひとたち、赤いタンバリン、ダンデライオン、and more…

驚きなのは、このバンドもまた「イカ天」出身だという点です。

正直なところ、もし「イカ天」という番組が存在していなかったとしても、彼らは何等かの経路で世に出たと思います。

「イカ天」出演時点から、ブランキーはもうブランキーでした。

それはつまり、最初から完成度が異常に高かったという事でしょう。

3ピースを最大限に生かした楽曲アレンジ・センス、歌詞の独特な不良感(バッド・ボーイズとは言わない)、ベンジー(浅井健一:Vo.)の声、が混然一体となって、リスナーを一発で虜にしてしまいます。

彼らも、「後にも先にも彼らだけ」ですね。

冬のセーター(1991)
不良少年の歌(1991)
絶望という名の地下鉄(1992)

37.ANGIE(アンジー)

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  • 1982年活動開始、1988年メジャー・デビュー、1992年解散
  • 代表曲:天井裏から愛を込めて、銀の腕時計、ハエの王様、and more…

’80年代初頭から活動を開始した彼らは、ブームとは無関係のインディ・バンドとしてまずは地方でのファンを獲得していました。

CD時代の直前、自主制作のLPを発表し、デモ・テープを販売し、福岡を拠点に活動を続けていました。

楽曲は軽快なパンク・ロックで、歌詞をしっかりと聞き取れる歌唱にのせ、若者の反抗心や世間の斜めから切り捨てる内容の歌詞が多く、「若者の反骨ロック」という世界観を表現していました。

天井裏から愛を込めて(1988)
蠅の王様(1989)
銀の腕時計(1989)

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