【全アルバム解説】スラッシュ・メタル界の帝王「スレイヤー」の名曲・名盤一挙紹介
- 1. スレイヤーってどんなバンド?
- 2. スレイヤーの全スタジオ・アルバムと名曲を全力紹介
- 2.1. スラッシュ黎明期
- 2.1.1. Show No Mercy / SLAYER (1983)
- 2.1.2. Haunting the Chapel / SLAYER (1984)
- 2.1.3. Live Undead / SLAYER (1984)
- 2.1.4. Hell Awaits / SLAYER (1985)
- 2.1.5. Reign in Blood / SLAYER (1986)
- 2.1.6. South of Heaven / SLAYER (1988)
- 2.1.7. Seasons in the Abyss / SLAYER (1990)
- 2.1.8. Decade Of Aggression / SLYER (1991)
- 2.2. メンバーチェンジからの実験期
- 2.1. スラッシュ黎明期
- 3. スラッシュ帝王成熟時代
- 4. 最後に
スラッシュ帝王成熟時代
2000年直前に、突然のモダン化を果たしたスレイヤーは、しかしある事件をきっかけにして2006年発表のアルバムで原点回帰を果たします。
以来、様々な要素を取り込み不屈の「スレイヤー節」はより頑強さを獲得し、ラストアルバムまで突き進む事になります。
では最後の章をどうぞ。
Christ Illusion / SLAYER (2006)

- “Flesh Storm" Lyrics:King Music:King Length:4:14
- “Catalyst" Lyrics:King Music:King Length:3:07 ★
- “Skeleton Christ" Lyrics:King Music:King Length:4:22
- “Eyes of the Insane" Lyrics:Araya Music:Hanneman Length:3:23
- “Jihad" Lyrics:Araya, Hanneman Music:Hanneman Length:3:31 ★
- “Consfearacy" Lyrics:King Music:King Length:3:07
- “Catatonic" Lyrics:King Music:King Length:4:54
- “Black Serenade" (Alternate version in special edition) Lyrics:Araya, Hanneman Music:Hanneman Length:3:16 ★
- “Cult" Lyrics:King Music:King Length:4:40
- “Supremist" Lyrics:King Music:King Length:3:51 ★
- “Final Six" (special edition bonus track) Lyrics:Araya, Hanneman Music:Hanneman Length:4:10
Personnel
- Tom Araya – bass, vocals
- Kerry King – guitars
- Jeff Hanneman – guitars
- Dave Lombardo – drums
「★」は筆者オススメ・トラック
SLAYER – Eyes of The Insane (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
ライヴ盤 ” ディケイド・オブ・アグレッション ” から数えて15年の時を経て、まさかのデイヴ・ロンバード復帰のニュースは、古くからのスレイヤー信者を興奮させました。
これは2001年に脱退したポール・ボスタフの代役としてツアーに参加した後に、2006年に正式メンバーとして復帰したという経緯でした。
デイヴはスレイヤーと袂を分かったのち、自分のバンド ” グリップ・インク ” を始動させ、2004年迄に4枚のアルバムを発表していますし、テスタメントやアポカリプティカにサポートしてい参加したりプロジェクトを立ち上げたりと、かなり精力的な活動を続けていました。
その活動を見るにつけ、「もうスレイヤーには全然興味ないんだろうなあ」と身勝手なファン心理で残念な想いをしていたものですが、ここに来てまさかの復帰&新譜で全面参加。
しかし残念ながらプロデュースはリック・ルービンではなく、あの黄金期の再現とはなりませんでしたが、アルバムの出来栄えは見事の一言に尽きます。
収録された楽曲は、7弦ギターによるモダンなプレイは聴かれるものの、「まさしくスレイヤー」というべき1980年代的風合いを伴ったものばかりで、ファンを悶絶させます。
1曲目から無駄を削ぎ落したファストな曲で、いきなりガツンとブチかましてくれます。
こうしたピュアなスラッシュにスレイヤーが戻ってきてくれた事について、ファンとしてはどうしても「モデイヴの復帰がその契機となった」と思いたくなってしまうものです。
そうした追い風もあってかセールス面でも大成功し、アメリカではBillboard 200最高5位に到達、バンドにとって初の全米トップ5入りを果たした記念すべき作品となりました。
収録曲「アイズ・オブ・ジ・インセイン」は遂にグラミー賞の最優秀メタル・パフォーマンス部門を受賞、バンドにとって初のグラミー受賞を果たしてもいます。
歌詞の面では、アルバム・タイトルからも容易に想像出来るように、地獄や悪魔などのファンタジーな世界観からは距離を置き、戦争やキリスト教などのリアルな社会問題へと深く踏み込んだ内容です。
これは前作の発表が奇しくも9月11日だった事も少なからず影響していると思われ、単純な宗教観での善悪を語る事なく、深く人間の心理を抉り出す内容になっています。
インドではこうした歌詞について抗議が起こり、インドの発売元であったEMIインディアは本作を回収・破棄した上で、「このレコードを再発する予定はない」と発表しました。
例によって前作同様ジャケットも講義を受けて、カバーがかかった状態になったりもしました。
如何にもスレイヤーですw
World Painted Blood / SLAYER (2009)

- “World Painted Blood" Lyrics:Hanneman, Araya Music:Hanneman Length:5:53
- “Unit 731" Lyrics:Hanneman Music:Hanneman Length:2:39
- “Snuff" Lyrics:King Music:King Length:3:42
- “Beauty Through Order" Lyrics:Hanneman, Araya Music:Hanneman Length:4:36
- “Hate Worldwide" Lyrics:King Music:King Length:2:52
- “Public Display of Dismemberment" Lyrics:King Music:King Length:2:34 ★
- “Human Strain" Lyrics:Hanneman, Araya Music:Hanneman Length:3:09
- “Americon" Lyrics:King Music:King Length:3:22
- “Psychopathy Red" Lyrics:Hanneman Music:Hanneman Length:2:26
- “Playing with Dolls" Lyrics:Hanneman, King, Araya Music:Hanneman Length:4:13
- “Not of This God" Lyrics:King Music:King Length:4:20 ★
Personnel
- Tom Araya – bass, vocals
- Kerry King – guitars
- Jeff Hanneman – guitars
- Dave Lombardo – drums
「★」は筆者オススメ・トラック
SLAYER – World Painted Blood (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
デイヴの復帰で刺激を受けたバンドが、前作から3年のインターバルで2009年末に発表した10thオリジナル・アルバムです。
本作での特筆すべき取り組みは、レコーディング・スタジオに入る前にそれぞれメンバーが一人で作曲を殆ど済ませてきたスタイルを変更し、2004年から9曲のデモ・レコーディングを経て、2005年に本制作的なレコーディングが開始、スタジオ内で曲を完成させていくスタイルで制作を進めたのだそうです。
前作同様、ストレートなスラッシュ・ナンバーがズラリと居並びますが、新しいアプローチもしっかり組み込まれています。
6曲目 ” パブリック・ディスプレイ・オブ・ディスメンバーメント ” ではデイヴにしては珍しいブラスト・ビートを聴く事が出来、曲全体を通してもデス・メタル的なアプローチの曲ですし、また8曲目 ” アメリコン ” では、ハードコア・パンク由来を思わせるシンプルで直情的な楽曲に仕上げています。
11曲目 ” ノット・オブ・デス・ゴッド ” のブリッジ部分では、バンド ” カテドラル ” のようなハネたスロー・グルーヴがカッコイイですね(個人的趣味)。
billboard 200で最高12位に到達、雑誌「ビルボード」のハード・ロック・アルバム・チャートで2位、ロック・アルバム・チャートでは4位をマークしました。
Repentless / SLAYER (2015)

All tracks are written by Kerry King, except where noted.
- “Delusions of Saviour" (instrumental) Length:1:55
- “Repentless" Length:3:19 ★
- “Take Control" Length:3:14
- “Vices" Length:3:32
- “Cast the First Stone" Length:3:43 ★
- “When the Stillness Comes" Length:4:20
- “Chasing Death" Length:3:45
- “Implode" Length:3:49
- “Piano Wire" Lyrics:Hanneman Music:Hanneman Length:2:49
- “Atrocity Vendor" LyricsAraya, King Length:2:55
- “You Against You" Length:4:20
- “Pride in Prejudice" Length:4:14
Personnel
- Tom Araya – bass, vocals
- Kerry King – guitars
- Gary Holt – guitars
- Paul Bostaph – drums
「★」は筆者オススメ・トラック
SLAYER – Repentless (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
SLAYER – You Against You (OFFICIAL MUSIC VIDEO)
遂にここまで来ました。
現在最新作にして最終作が本アルバムです。
前作発表後まず、2013年2月20日にデイヴが再びスレイヤーを脱退し、後にグリップ・インクの再結成準備を進めている事が報じられました。
後任にはポール・ボスタフが復帰します(何度も同じバンドに復帰する事が多いバンドという事になりますが、人間会計が良好であった証拠なんでしょうね)。
続く2013年5月2日にジェフ・ハンネマンが肝不全により49歳で死去してしまいます。
新たなギタリストにはバンド ” エクソダス ” のギタリストでありメイン・ソング・ライターでもある ” ゲイリー・ホルト ” が迎えられました。
ジェフが亡くなる以前から、ジェフがステージに立てないライヴでヘルプ・ギタリストとして、スレイヤーと主にプレイしていたんですね。
アルバムの制作時、作曲の面でゲイリーはほぼ関与せずほぼ全ての曲をケリー一人で書いたのですが、唯一9曲目に収録された ” ピアノ・ワイヤー ” だけは、ジェフの作詞作曲です。
アルバムの内容は、正にスレイヤーの集大成的内容で、タイトル曲をはじめとするストレートなスラッシュ・ナンバーに加えて、分厚い音像のヘヴィ・ナンバー、ハードコア・ナンバー、が一切の無駄を削ぎ落した最高の形で繰り出されます。
billboard 200でバンド史上最高の4位に到達、その他10ヵ国以上のチャートでスレイヤーの史上最高位を更新しましたが、2018年にバンドは、当時のツアー終了(2019年末)をもってスレイヤーとしての活動を終了させるという発表を行いました。
2019年3月には、日本のメタル系フェス「DOWNLOAD JAPAN 2019」に出演し、多くのファンの前で来日最後のショーを見せてくれました(筆者はこのラスト・ライヴを現地で体感しましたが、ファンの一体感と鬼気迫るプレイとの相乗効果で、凄まじい空気感が生み出されていたのを覚えています)。
そして同年11月、カリフォルニア州の最終公演をもって活動停止、38年間に渡るスレイヤーの歴史に幕を閉じたのでした。
最後に
スレイヤーについては、まっだまだ書きたい事が山盛りあるのですが、全アルバムを振り返るというコンセプトのエントリでしたので、出来るだけアルバム単体について的を絞ったのですが、案の定かなり長いエントリとなってしまいました。
ここまでお付き合いくださいました皆様、お疲れ様でした & お読みいただきありがとうございました。
スレイヤーについては、またいずれ違う切り口で文書を書きたいと思います。■■
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