【全アルバム解説】1984年結成「ZIGGY」の名曲・名盤一挙紹介
ある世代にとって、印象が全く違う単語が「ZIGGY(ジギー)」じゃないでしょうか。
デヴィッド・ボウイかバンドのジギーか、って話ですが、僕はもちろんバンドの方にずっパマリしたクチです。
中学生の頃にバンド・ブームの到来に合わせて彼等を知って以来ずっと聴いていますが、当時湧き出るように登場したバンド群の中で、令和のこの時代に現存している数少ないグループです。
そんなジギーを紹介したいと思います。
ジギーってどんなバンド?
略歴
- 1984年に東京で森重樹一を中心に結成された、ロック・バンドで、森重樹一(もりしげ じゅいち)ボーカル、戸城憲夫(としろ のりお)ベース、松尾宗仁(まつお そうにん)ギター、大山正篤(おおやま まさのり)ドラム、のラインナップで1987年にデビュー。
- 初期はグラム・ロックに影響を受けたメイクや髪型の「お化粧バンド」1st世代で、ロックン・ロール、ハード・ロックを基調としながら、ポップな歌メロが特徴的。
- 長い活動期間の時期によって音楽性は変化し、ブルーズ・ロック、パンク・ロック、歌謡曲、ヘヴィ・メタル、など楽曲の幅がかなり広い
- デビュー後複数回のメンバー・チェンジを経て、2008年には無期限活動休止を宣言する
- 2010年、2014年に期間限定LIVEのみの活動で短期的復活後、2017年からは森重樹一のソロ・プロジェクト的存在で活動を再開し、サポート・メンバーを迎えてアルバム制作、ツアーを行っている
ジギーの全スタジオ・アルバムと名曲を全力紹介
途中、休止期間が10年あるとは言えトータルで37年に渡る活動期間において、その音楽性は少しずつながら形を変えました。
ジギーの歴史を追いかけながら、彼等の音楽的特徴を大きく4つの時代にわけて紹介していきたいと思います。
バンド・ブーム期の弩級キャッチーなロック・バンド時代
1984年に、東京で森重樹一氏を中心に結成されますがメンバー・チェンジを繰り返し、1986年以降戸城氏の加入以降デビュー時のメンバーに固まっていきます。
1987年7月に、インデイーズ・レーベルのVICEレコードから初LP「それゆけ! R&R BAND」を発売しますが、これは4曲入りのいわゆるEPでした。
1987年といえば、日本は第二次バンド・ブームのど真ん中、80年代後半に見られる「バンドマンが華々しい存在」となるタイミングで彼等はデビューしています。
時代を象徴するかのような、アップテンポでキャッチーなロックのノリを提示するデビュー・アルバムは、後のLIVEでも定番曲となる「I’M GETTIN’ BLUE」や「HOW」といった名曲も収録しています。
この頃の彼等の楽曲は、メジャー・キーのシンプルなロックン・ロールといった風合いが強く、原始の衝動的な勢いに溢れています。
また、歌謡曲とも表現出来る程、日本人にとって最高に耳馴染みのイイ歌メロもデビュー盤から炸裂しており、その他のバンド群とは一線を画す個性となっていました。
ZIGGY 〜IN WITH THE TIMES〜 / ZIGGY (1987)
- 「EASTSIDE WESTSIDE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 2:48
- 「MAKE IT LOUD」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:35
- 「I’M GETTIN’ BLUE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:59 ★
- 「BIRDS ON STRINGS」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:18
- 「LAZY BEAT」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 2:06
- 「上海GIRL」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:28
- 「HOW」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:44 ★
- 「CRISIS」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 2:44
- 「I WANT YOUR LOVE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 2:28
- 「BOOGIE WOOGIE TRAIN」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:53
- 「6月はRAINY BLUES」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:59
I’m Gettin’ Blue / ZIGGY
6月はRainy Blues / ZIGGY
記念すべきジギーのデビュー・アルバムです。
今更ながら驚かされるのは、このデビュー盤の時点でジギー・サウンドが完璧に仕上がっている点です。
彼等の全歴史において共通しているのは、殆どの楽曲について作詞作曲を、誰あろう森重樹一氏が手掛けている事でして、それはデビュー盤においても変わらない特徴です。
11曲中10曲が、森重作品。
未だにライヴで演奏される人気曲が既に含まれているのも、彼等は初期から完成度が高かった事の証明だと思います。
HOT LIPS / ZIGGY (1988)
- 「HOT LIPS」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫、松尾宗仁 3:27 ★
- 「WHAT DO YOU WANT?」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 2:06
- 「BORN TO BE FREE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:25 ★
- 「HIGHWAY DRIVING NIGHT」 詩:森重樹一 曲:ZIGGY 4:27
- 「GLORIA」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:16
- 「PLAYING ON THE ROCKS」 詩:戸城憲夫 曲:戸城憲夫 3:04
- 「LAST DANCEはお前に」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:21
- 「TOKYO CITY NIGHT」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:37 ★
- 「POOR BOY」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:02
- 「STARTIN’ AGAIN」 詩:森重樹一、大山正篤 曲:ZIGGY 6:59
Born To Be Free / ZIGGY
Gloria / AIGGY
デビュー盤に続けて翌年には2ndアルバムを発表します。
このアルバムもライヴで繰り返し演奏され続けている人気曲だらけなの名盤ですが、4人のメンバー全員が楽曲制作に関わる事になったのは地味ながら大きな変化でしょう。
しかし、キャッチーでポップな「ジギー印」がガツンと押印されている曲はどれも、やはり森重さんの手による作詞作曲の結果です。
どんだけ才能あんの。
フジテレビ系ドラマ『同・級・生』の主題歌として「GLORIA」が大ヒットした事を、記憶されている方は多いのではないでしょうか。
日本中の男子がカラオケで歌っていましたね、ぐろりあ。
しかしこの曲が主題歌に採用されたタイミングは、次作「NICE & EASY」リリース後でして、再シングルカットされたという経緯があります。
人気曲「BORN TO BE FREE」、「TOKYO CITY NIGHT」も含めいずれも森重さんの作詞作曲。
アルバム全体を通して、バリエーションの幅も増えておりクオリティが確実に向上しているのが判る内容です。
NICE & EASY / ZIGGY (1989)
- 「GYPSY BLOODED」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:30
- 「WHAT CAN I DO? (UNDER CONTROL)」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:44
- 「ONE NIGHT STAND」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:01 ★
- 「STARDUST BLUES」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:23
- 「NOT SO EASY」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:58
- 「SING MY SONG (I JUST WANT TO SING MY SONG)」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:00 ★
- 「SHOUT IT OUT LOUD」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:37
- 「SWEET SURRENDER」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:53
- 「DEEP INSIDE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:55
- 「TAKE THE CHAIN AWAY FROM MY HEART」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:15
- 「SWEET SOUND OF R&R」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:14
- 「CLOSE YOUR EYES」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:35
One Night Stand / ZIGGY
Sing My Song (I Just Wat To Sing My Song) / ZIGGY
本作は、初の海外レコーディングを行ったアルバムで、ベーシックトラックはLAで、残りを日本で録音したそうです。
1988年にシングルで発表されていた「SING MY SONG (I JUST WANT TO SING MY SONG)」がアルバム用に再録されています。
またこのアルバムが発表された後に「GLORIA」のスマッシュヒットがあった事も手伝って、ジギーがどんどん地上波に露出し始めたのもこの頃です。
バンドとしては初の日本武道館でのライヴも同年の出来事でした。
2ndの出来が良すぎた感はありますが、実際アタリ曲がやや少ない印象でしょうか、といってもそのアタリの2曲が良すぎて全然おつり来ちゃうレベルなんですけどもね。
「ONE NIGHT STAND」に描かれるような「気ままに音楽と共に生きていく」という雰囲気の世界観がジギーの楽曲には多く聴かれるのですが、ミュージシャンとしてのスタンスを表明しているかのようで、おどけたようでいながら芯の通った歌世界が魅力的です。
KOOL KIZZ / ZIGGY (1990)
- 「WHISKY,R&R AND WOMEN」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:40 ★
- 「WASTED YOUTH」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:42 ★
- 「PASSION REDのお前を抱いて」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:18
- 「TOO LAZY TO BE GOOD,TOO SERIOUS TO BE WILD」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:00
- 「I WANT YOU TO KISS ME ALL NIGHT LONG」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:17
- 「DON’T STOP BELIEVING」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:01 ★
- 「928」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:00
- 「MAYBE I’M A FOOL」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:26
- 「NERVOUS BREAKDOWN」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:13
- 「DRIVE ME WILD」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:09
- 「I’M JUST A ROCK’N ROLLER」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:48 ★
- 「DON’T YOU LEAVE ME ALONE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 6:48
Whisky R&R And Women / ZIGGY
Don’t Stop Believing / ZIGGY
ジギーの最も華やかだった時代として、このアルバム発表時を記憶されている方も多いかと思います。
この4thアルバムでジギーは遂に、オリコン・チャート初登場1位を獲得します。
収録曲もライヴ映えする佳曲が揃っており非常に人気の高いアルバムで、前作同様に森重氏、戸城氏、がそれぞれ収録曲の半数ずつを担当して作曲しています。
こうしてみると、森重&戸城の楽曲センスは馴染が良いですね。
セールスも伴ってきてバンドとしての勢いが益々加速したこの年に、まさかの「休暇届け」という形で活動1年間休止宣言が発信され、マスコミ、ファンを驚かせる事になります。
※筆者はこのニュースを聞いた時に、このまま解散してしまうんじゃないかと物凄く心配になった記憶があります
彼等はそのままフェイドアウトする事なくしっかり復帰してくれるのですが、次作以降は新たな音楽性を求めて様々な実験的楽曲を創るようになり、そこからメンバー同士の関係性に変化が起こります。
ポップ・ミュージックへの拡大、変革時代
ポップ・ミュージックへの拡大、変革の時代がジギーに訪れます。
前作発表後の1年間の休暇を経て、バンドは更なる挑戦の扉を開く事となったワケですが、この変化についてはファンの間でも評価が分かれます。
またこの変化が、残念ながらデビューかわ変わる事のなかったバンドメンバーの「脱退」へのきっかけとなった事も間違いない事実です。
それでもジギーは、変化し、挑戦する事を選びました。
YELLOW POP / ZIGGY (1992)
- 「SWEET MAGIC」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:01
- 「SUMMER DAYS FOREVER〜8月のMother Sky」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:35
- 「午前0時のMERRY-GO-ROUND」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 5:15
- 「ROCK THE NIGHT AWAY」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:44
- 「CLASH! CLASH! CLASH!」 詩:森重樹一 曲:森重樹一、戸城憲夫 3:40
- 「眠らない25時の街で」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:26 ★
- 「STAND BY MY SIDE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:20
- 「蒼ざめた夜〜Too Fast to Live, Too Young to Die」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:25
- 「Hot girl in black leather」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:05
- 「訪れる夜だけに」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:37
- 「のらねこのKUROくん」 詩:戸城憲夫 曲:戸城憲夫 5:53
- 「LET’S DO IT WITH THE MUSIC」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:18 ★
- 「EMPTY HEART」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:56
Sweet Magic / ZIGGY
眠らない25時の街で / ZIGGY
まずアルバムを再生して、いきなりバンドサウンドらしからぬオープニングでギョッとさせられます。
そして更に、あたかも日本の歌謡曲的な楽曲が居並び、これってジギーなのか……?という疑問がどんどん湧き出る程、アルバム全体がこれ迄の作品とは明らかに違います。
今となっては、森重さんや戸城さんの音楽的背景がいかに深くて広いかという話題に過ぎないのですが、当時は「最新のジギー」としてリスナーは聴くわけなので、どうしても心中穏やかでは居られなかったんですね。
僕も当時、このアルバムをどう解釈するか、戸惑った記憶があります。
しかし「これもジギー」なんですよね、当たり前ですけど。
森重さんのメロディーは、日本の歌謡曲からの影響をご本人も認めておられますし、自然な発展だったのだろうなと「今では」思えます。
しかしこのアルバムのツアー終了後、ギターの松尾さん、ドラムの大山さんの脱退が発表されました。
そしてここから暫く、ジギーは、森重さんと戸城さんのユニット、という存在になります。
ZOO & RUBY / ZIGGY (1993)
- 「架空のサーカス」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:29
- 「砂の上のパラダイス」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:36
- 「MAYBE TOMORROW」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:40
- 「偽りの宮殿」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:41
- 「天のくれたメロディ」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:33
- 「BE YOURSELF」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:05 ★
- 「GOOD LUCK Mr.RICHMAN」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:12
- 「GARDEN OF ROSES」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:19 ★
- 「この空白が僕を埋めつくしてしまう前に」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:20
- 「追憶の夜に宝石を散りばめて」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:29
- 「LISTEN TO THE MUSIC」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:21
- 「星のない街の子供達」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:38
Garden Of Roses / ZIGGY
森重&戸城というユニットとして再始動したジギーは、翌年には早々にアルバムを発表します。
メンバーが二人しか存在しない状況はジギーの歴史上はじめての事で、その状況を逆手にとったお二人は、必ずしもライヴで再現する事を必要としない、作品性を最重要視したような楽曲も増えてきます。
加えて、ライヴバンドとしての在り様さえも模索する事となり、この頃からライヴ活動の本数も減っていくことになります。
デビュー当時から聴いていたファンにしてみれば、ジギーのこの変化は中々受け入れ難い事でしたが、二人のミュージシャンは、ジギーの可能性を本気で考えた試していたんでしょうね。
4人の音を鳴らすロック・バンドという風合いは確かに薄くなりますが、やはり森重さんの声でポップなメロディを歌われると、結局ジギーになるという事も再認識出来ます。
BLOND 007 / ZIGGY (1994)
- 「STROLLIN’」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 5:35
- 「PSYCHEDELIC ROMANCE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 2:52
- 「12月の風になりたい」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:06
- 「真夜中の太陽」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:25
- 「TOO MACH MONKEY BUSINESS」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:26
- 「STAY GOLD」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:51
- 「ROLLING TRAIN」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 5:17
- 「SOMEBODY’S GREED」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:30
- 「CRAZY DIAMOND」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:43
- 「LET THE MUSIC PLAY」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:36
- 「FEEL SO GOOD」 詩:森重樹一、戸城憲夫 曲:戸城憲夫 4:06
- 「虹の向こうに」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 2:26
Stay Gold / ZIGGY
12月の風になりたい / ZIGGY
このアルバムではサポートメンバーを迎え、バンド体制でのアルバム制作に戻りました。
1992年頃から戸城さんと共にランス・オブ・スリルというメタルバンドで活動していたギターの横関敦さん、同バンドでドラムと担当していた元BOWWOWの新美俊宏さんです。
このお二人の参加はジギーにとっては喜ばしいカンフル剤となったようでして、サウンド全体がバンド然としたものに回帰し、テクニカルなプレイスタイルを持ち込む事となりました。
ジギーとしては意外な、速弾きギター・ソロやヘヴィなメタル・リフまで飛び出して驚かされます。
当時アルバムを一聴して感じたのは、「やっぱバンドサウンドになるといいな……」という事でした。
ギター、ドラム、が暫定的とはいえメンバー加わる事で、作曲そのものの方向性がハード・ロック寄りになったんですよね。
動画を貼り付けますけども「STAY GOLD」のような、普遍的なJ-ROCK的名曲も生まれました。
この曲などは、森重節が炸裂する耳馴染みの良いメロディに流麗な日本語歌詞が載るという、これぞジギーと言わんばかりの仕上がりです。
色々あったけど、ジギーいいじゃん、と思えるアルバムです。
新たな挑戦、3ピースの時代
さて前作をバンド形式で作曲した事は功を奏しましたが、元々サポートメンバーであった2人はその後離脱しますが、1995年にはそれまでもサポート・ドラマーとして参加していた元44MAGNUMの宮脇“JOE”知史さんが正式に加入し、ジギー3人体制時代が始まります。
この後宮脇さんは2008年の無期限活動休止宣言までメンバーとして活躍し続けますので、森重さんのソロ・プロジェクトとしてジギーが生まれ変わる以前の、最後のメンバーという事になります。
WHAT NEWS!? / ZIGGY (1996)
- 「STEP BY STEP」 詞:森重樹一 曲:森重樹一 4:26
- 「月が昇る頃には (Album Mix)」 詞:森重樹一 曲:森重樹一 4:50
- 「光と影」 詞:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:50
- 「Stranger than Paperbacks」 詞:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:15
- 「心配無用」 詞:森重樹一 曲:森重樹一 4:17
- 「君をのせて (Album Mix)」 詞:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:16
- 「Just another day」 詞:森重樹一 曲:戸城憲夫 5:32
- 「A NIGHT OF SYMPATHY」 詞:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:17
- 「欲望という名のParadox」 詞:森重樹一 曲:森重樹一 4:39
- 「CLOCK STRIKES 12」 詞:森重樹一 曲:森重樹一 3:10
- 「Jealousy 〜ジェラシー〜 (Album Mix)」 詞:森重樹一 曲:森重樹一 4:13
- 「Silver&Gold」 詞:森重樹一 曲:森重樹一 3:01
- 「暗流」 詞:森重樹一 曲:戸城憲夫 7:02
Jelousy -ジェラシー- / ZIGGY
このアルバムは収録された楽曲の印象がバラエティに富んでおり、ロックンロール・ナンバーやスウィング・ジャズ・ナンバーが飛び出したりもします。
しかしいずれもあくまで「バンドサウンド」としてのバリエーションであり、ジギーがバンドとしてのスタンスを重要視している事が伺い知れます。
まだこの頃から、ジギーの楽曲に新たな特徴が追加されます。
つまり、日本語歌詞へのこだわりらしきものが現れて、美しい日本語の言い回しや独特な歌詞世界が生まれるんですね。
この特徴は以降どんどん加速し、森重さんの作詞は日本語の響きに個性を求めるようになっていきます。
CRAWL / ZIGGY (1997)
- 「Guilty Vanity」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 5:02
- 「Love me madly,break me softly」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 2:28
- 「"失速"-そのロジック」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:49
- 「Back to Zero」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:57
- 「センチメンタリズムを憐れむ歌」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:47
- 「Still so vain」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:25
- 「刹那の住人」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:10 ★
- 「かざみどり (C.A.U.O)」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:21
- 「裸の声は」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:15
- 「彼女の美しき銃と僕の嘘」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:24
- 「Silent Eveを待ちながら」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:32
- 「To my regret〜CRAWL」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:51
Guilty Vanity / ZIGGY
Silent Eveを待ちながら / ZIGGY
3人体制となったジギーは更に変化を続けていきますが、1997年に発表されたこのアルバムは一番の問題作と言えるのかもしれませんね。
時代性の繁栄があったのか或いは全然別の理由だったのか確かにこのアルバムにおいてジギーの音楽性は、ややダークな方向性に向かっており(しかしこれも今聴いてみれば「ややダーク」というレベルなんですが)、この特徴が森重さんの曲に集中しているんです。
振り返って落ち着いて聴くと、こういう方向性もバリエーションの一つだよねと思える範囲だったとしても発表された瞬間のインパクトというのは確かにあって、更に加えて森重さんが髪を切ったんですよ。
この断髪インパクトがデカすぎました。
音の話で判断しろよと言われれば本当にその通りなんですが、デビュー当時から変わらず続いていたビジュアルが変わったわけなので、色々と不安も掻き立てられたんですね。
ジギーが変わっていってしまうんじゃないか、みてーな。
楽曲で言えばパンキッシュなイメージのものが増えましたしフレンチポップのような風合いもあったりとバリエーション豊かな内容で、しかしジギーらしいポップなメロディ・センスは変わっていません。
原点回帰、ストレート・ロックの時代
前作の発表後、アルバムの売上が芳しくなかった事も手伝って、まさかの松尾宗仁復帰という流れになっていくんです。
何度かのライヴを経て正式復帰となったこの時には、煌びやかだったあのジギーが帰ってくる!?とファン一同期待で胸がはち切れそうな状況になりました。
そして2年後、遂にニューアルバムが発表されます。
GOLIATH BIRDEATER / ZIGGY (1999)
- 「Wannabe」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 1:44
- 「Without…」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:14
- 「マケイヌ」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:37
- 「嫌なこった」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:00
- 「VENUS」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:31
- 「時の砂」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:56
- 「MONKEY」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 4:28
- 「ペシミストのため息」 詩:森重樹一 曲:戸城憲夫 3:49
- 「この空の下のどこかに」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 6:29
- 「流浪のダンス」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:15
- 「迷走」 詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 2:46
- 「Forever Wild」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:13
Without… / ZIGGY
マケイヌ / ZIGGY
松尾氏の復帰にともないアルバムの制作体制にも大きく手が入り、外部プロデューサなどバンドメンバー以外の意向も大きく取り入れられる事となり、ジギーは次のステージに踏み出そうとします。
しばらくはポップな路線や幅広い音楽性への拡大を図っていたバンドは、改めてよりストレートな原始のロックへと舵を切ります。
そうして出来上がったのは、初期メンバーの時代を思い起こさせるような、ストレートでシンプルなハード・ロック・アルバムでした。
HEAVEN AND HELL / ZIGGY (2002)
- 「MY CONVICTION」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:56 ★
- 「ONE WAY TRAIN ~ROCK 'N’ ROLL IS STILL ALIVE~」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 2:55
- 「AGAIN」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:11
- 「SO HAPPY」 詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 3:20
- 「HEAVEN AND HELL」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:00 ★
- 「CELEBRATION」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:09
- 「SLAVE OF LOVE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:11
- 「サダメノツルギ」 詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 4:18
- 「明日は誰も知らない」 詩:森重樹一 曲:津谷正人 2:37
- 「希望という名の花」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:48
Again / ZIGGY
Heaven And Hell / ZIGGY
前作はジギー原点回帰を思わせる出来栄えだったのですが、音楽性の不一致から、結成メンバーだった戸城氏が脱退してしまいます。
契約の事情から戸城氏脱退から3年後り発表される本作まで、ZIGGY名義の活動は出来なくなり、当面「SHAKE HIP SNAKES」とバンド名を変えて活動を続けていました。
そして満を持して3年ぶりに発表されたZIGGY名義のアルバムが本作。
内容は、歴代のアルバムのどれよりもハード・エッジな音質とアレンジにコーティングされた意欲作で、曲によってはヘヴィ・メタル的アプローチとさえ言える程のヘヴィなサウンドです。
この頃には音楽的な方向性がより明解になっており、異常にノリの良いハード・ロックという風合いに統一され、そこに森重節とも言うべき極上のポップ・メロディが乗るというスタイルが確立しています。
この方向性には宮脇”JOE”知史氏の貢献が大きく、HR/HM畑のプレイ・スタイルが大きく反映されています。
HEAVEN AND HELL II / ZIGGY (2002)
- 「INNER SPACE FLIGHT#1」 詩:森重樹一 曲:津谷正人 4:34
- 「LOVE SHINE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:25
- 「BURNING LOVE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:07
- 「ウヰスキーと混沌 (CHAOS)」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 6:05
- 「HEAVEN AND HELL」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:59
- 「FAITH」 詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 5:27 ★
- 「JEALOUSY ~ジェラシー~」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:14
- 「誓い ~放浪者の丘の静けき夜~」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:31
- 「KISS ME」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:36 ★
- 「HAPPY BIRTHDAY」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:48 ★
- 「世界の果てまで」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 8:00
Faith / ZIGGY
誓い ~放浪者の丘の静けき夜~ / ZIGGY
前作から5カ月という短いスパンで発表されたアルバムで、タイトルからもわかるように連作です。
穏やかなアコースティック・ナンバーで幕を開ける本作は前作がHR/HM的アプローチが顕著だったのに対し、スローなブルーズ・ロックやバラードという風合いが全編を貫いており、意図的に表裏を表現するような存在となっています。
全作にも収録されていた同タイトル曲である「HEAVEN AND HELL」は、アレンジが全く異なるスロー・ナンバーとして生まれ変わっています。
同様に「WHAT NEWS!?」(1996)に収録されていた「JEALOUSY」もアコースティック・バージョンにリアレンジされ収録。
ロックに軸足を置きつつ、大人の香りがするスローな味わいをまとめた、シックな作品となっています。
ROCK AND ROLL FREEDOM! / ZIGGY (2003)
- 「Introduction」 曲:津谷正人 1:56
- 「ROCK AND ROLL FREEDOM!」詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:35
- 「BABYLON JUNKS」詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:57
- 「SLEAZY COME,NOISY GO!」詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:27
- 「魔法にかかったみたいに」詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:21
- 「My Love」詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:58
- 「愚か者のパレード」詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 5:01
- 「RECKLESS IMITATOR」詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 3:26
- 「swanky☆boyz & punky☆girlz」詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 3:17
- 「もぬけのから」詩:森重樹一 曲:森重樹一 7:16
- 「Hello」詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:57
- 「夢見る頃を過ぎても」詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:39
Rock And Roll Freedom! / ZIGGY
復活したジギーは立て続けに翌年もアルバムを発表します。
本作以降ジギーのスタイルは、よりストレートな作風に集約されていきます。
変化球なし、いい意味で直球勝負のジギーが生まれた頃に目指した、ポップでノリのいいハードロックという路線に迷いが一切ない状態とでもいいましょうか。
アルバム・タイトルからも感じられる、剥き出しの真っすぐさ。
JUST A ROCKIN’ NITE / ZIGGY (2005)
- 「JUST A ROCKIN’NITE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:45
- 「GO TO BLAZES!」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:07
- 「ただ哀しくて」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 7:14
- 「てんで手に負えないのさ」 詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 4:29
- 「ムラサキノチョウタチヨ」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:39
- 「INNOCENCE OF BLUE」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 6:18
- 「SILVER SILVER LIGHTNING」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:37
- 「JUNKY CRASH」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:34
- 「USELESS GENERATION」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:10
- 「MOONLIGHT CRUISE」 詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 5:11
ムラサキノチョウタチヨ / ZIGGY
非常に安定感のあるアルバムです。
この頃になるとすっかり「日本語歌詞」の特徴的な言い回しが定着し、サビが英語ではない楽曲も多くなっています。
森重さんがほぼ総ての歌詞を書くわけですが、何十曲と歌詞を書き続けて来られたうえで枯れる事なく言葉を生み出し続ける事は、如何に難しい事なのかと筆者は想像を巡らせます。
サビ・メロと日本語歌詞の言葉の整合性が気持ちいいですね。
NOW AND FOREVER / ZIGGY (2007)
- 「CRAZY HORSE IN MY HEAD」 詩:森重樹一 曲:森重樹一/松尾宗仁 4:14
- 「溢れる光を抱いて」 詩:森重樹一 曲:森重樹一/松尾宗仁 4:39
- 「その歌になり、その風になる」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 8:17
- 「WHISKY RIVERに虹を架けてよ」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:29
- 「LEWIS」 詩:森重樹一 曲:森重樹一/松尾宗仁 5:51
- 「何もかもキャンセル」 詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 6:24
- 「DAISY」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:25
- 「Johnny Lightning」 詩:森重樹一 曲:松尾宗仁 4:34
- 「NOW AND FOREVER」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:28
- 「深い紫色の」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 8:21
I Stay Free Forever / ZIGGY
盤石に見えたジギーですが、遂にこのアルバムを最後にバンドとしての形に終止符を打ちます。
既に全年2006年時点で、戸城さんの後任ベーシストだった津谷正人氏が脱退しており、サポートメンバーを迎えてのレコーディングとなった本作ですが、アルバム発表の翌年、2008年に遂に無期限活動休止のアナウンスが流されます。
理由は一つではなかったそうですが、バンドとして成立させる為に必要な引力が薄れてしまっていたのは間違いないのでしょう。
しかし無期限活動休止のアナウンス発表後、2010年にまさかのツアーが組まれました。
しかも戸城さんがベースという編成で主に初期の曲を演奏する内容でしたが、これはあくまで一時的なものだったらしく、残念ながら2011年には遂にジギーの公式サイトもクローズしてしまいます。
嗚呼、いよいよジギーが終わっていく。
2014年には結成30周年を記念する、期間限定の活動があったものの、森重さんがソロ名義で作品を発表するなど、ジギーとしての形はどんどん過去のものとなっていきました。
しかし森重さん個人は、精力的に作品を発表しつづけていきます。
その間、森重さん選曲によるジギー・ベストが発表されるなど、小さなニュースは発信されていました。
大復活、森重ソロ時代~現在
で活動休止のアナウンスから9年待つ事になります。
まさかのZIGGY復活を告げるニュースを聴く迄に。
2017 / ZIGGY (2017)
- 「白んだ空に蝶達は舞ってる」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:37
- 「うたた寝の途中」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:15
- 「まだ見ぬ景色が見たくて」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:59
- 「虹を見た」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:22
- 「月明かりの下で」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:12
- 「君のままでいいから」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:28
- 「Don’t stop the R&R music」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:50
- 「MAKE A STAND」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:21
- 「I CANNOT GET ENOUGH」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:27
- 「踊らされたくないのなら」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:53
- 「頬杖と有限の夜」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:51
うたた寝の途中 / ZIGGY
ジギーは、実質「森重樹一のソロ・プロジェクト」という形で復活しました。
まあ正直言って、ジギーにおける大半の曲を森重さんが書いてきましたし、ほぼ全曲の歌詞もまた森重さんが書いていたわけですので、然程の違和感があるハズもなく、ファンが期待したジギー、ファンが聞きたいジギーがしっかり再生したと言えるでしょうね。
森重さん以外は総てサポートメンバーでのレコーディング、ツアー、が展開されていきました。
ここからは、ふっきれた森重さんの独走態勢となり、快進撃が開始されます。
ROCK SHOW / ZIGGY (2018)
- 「Opening」 曲:森重樹一 0:56
- 「ROCK SHOW」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:12
- 「その引き金を引け」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:35
- 「この夜の向こうへ」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:22
- 「逃避行」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:29
- 「銀のバレット」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:47
- 「時の流れる音を聞けば」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:38
- 「WONDERFUL FEELING」 詩:森重樹一 曲:森重樹一、CHARGEEEEEE… 4:45
- 「DON’T GET ME DOWN」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:44
- 「LET ME GO ROCK’N’ROLL」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:42
- 「時空の旅」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:09
- 「友の待つ空へ」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:09
- 「君の笑顔より美しい花を知らない (Secret track)」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:48
Rockshow / ZIGGY
前作から1年というスパンで新作が発表され、ジギーの活動がパーマネントなものになった事を改めて認識できました。
森重さんの個性はより明確にクッキリとした輪郭を獲得しており、日本語の魅力を満載しつつも楽曲そのものはハード・エッジなロックとして、よりその破壊力を先鋭化しています。
復活後のサポート・メンバーも概ね固定されており、実に完成度の高いバンド・サウンドを聴かせてくれます。
LIVE映像を見れば、森重さんがメンバーを信頼して歌っている様が伺い知れ、ファンとしてはただただ嬉しくなりますね。
SDR / ZIGGY (2021)
- 「CHAOS’70」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 2:17
- 「SWING, DRIVE, ROCK’N’ROLL」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:48
- 「鉛の空の下でも」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:49
- 「Let the good time roll」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:54
- 「もっと好きにやるよ」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:24
- 「数え切れないTenderness」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:52
- 「ROCK’N’ROLL QUEEN」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:15
- 「錆びた扉を」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:34
- 「抱きしめていよう」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:32
- 「⾺⿅につける薬はどこに」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 4:49
- 「傷痕」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 3:33
- 「パラドクスの庭で」 詩:森重樹一 曲:森重樹一 5:00
さてやっとここまで来ました。
今年2021年に、3年ぶりの新作が発表されたわけです。
内容は文句なし、素晴らしい出来栄えです。
森重さんの枯れることのない創作の泉は、ここに来て更に高いテンションを見せつけるが如く沸き立っています。
アルバム発表の2021年04月時点で、森重さんは57歳です。
あと3年で還暦を迎える男の歌声が、こんなに迫力がありこんなにセクシーであることにただただ驚くばかりです。
さて長いジギーの歴史を総て振り返りました。
2027年には40周年を迎える計算となりその時に森重さんは64歳、きっと驚きのバイタリティでその素晴らしい歌声をこれからも我々に届けてくれると思います。
では最後に懐かしい名曲を1曲、紹介したいと思います。
1991
La Vie en Rose / ZIGGY
ラ・ヴィ・アン・ローズ / ジギー
幾度となく曲のタイトルに使われてきた言葉だと思います。
薔薇色の人生、なんてロマンティックな言葉を、人はついつい使ってしまう。
僕はこの言葉を音楽の世界で見つけるたびに、無条件で聴きに出向いてしまいます。
理由は、ジギーのこの曲です。
「この曲を超えてくれるか?」というコトを確かめずにはいられないんです。
自分でも素晴らしい楽曲に多く出会ってきたとは思うのですけど、このタイトルを冠した曲は、今のところジギーが頂点だと思っています。
ライブでは定番の曲だったのに、アルバムではベスト盤にしか収録されていない初期の名曲です。
やはり歌詞とメロディがより日本ポップス的だと感じられたし、何よりいかにもジギーらしい名曲で、Bメロからサビに向かってぐんぐんとピッチが上昇してゆく時の高揚感は筆舌に尽くしがたい良さがあると思います。
ヴォーカリスト森重樹一の真骨頂は、正にこうしたハイトーンであり歌い上げる技と説得力だと思います。
キラキラと眩しく輝く、ロック・スターの素養が最初期から備わっていたわけです。
古いバンド、と決めつけて素通りするには、あまりに高品質なバンドなので、未聴の方もご存知の方も、一度聴いてみて欲しいと思います。
本物の品質がそこにはあるはずですから。■■
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