BABYMETAL好きメタルリスナーの独り言
過去エントリは出来る限り自分最大限客観的に語ろうと思案した結果、ベビーメタルを少女3人組のアイドルグループとしてではなく、神バンド諸兄、KOBAMETAL氏をも含めたメタル・エンタメ・プロジェクトとして捉え、メタル・ミュージック・リスナーの視点から見るとどう解釈出来るのか、というアプローチを自分なりに徹底して書いてみました。
反応いただいたメッセージなどから、僕の文章が言葉足らず&おそらく理解不足?が原因で言いたい事を巧く伝えられていない部分もあるのかなと思ったんですね。
そういう背景による微調整も含め、今回はベビーメタルファンとして再び書いてみようと思いますよ。
BABYMETALで男泣きした!
Embed from Getty Imagesいいでしょ、今更この見出しです。
白状しますが、僕はyoutubeなどでベビーメタルのPVやライヴ映像を観る場合は必ず一人きりで観ます。
何故か。
涙腺決壊を止められないからです。
これ本当でして、2ndアルバム・オープニング・トラックの「ロード・オブ・レジスタンス」、続く「カラテ」に至っては、音源だけでも何故だか涙が止まりません(エントリを書かねばと思い立ったのもこの事がきかっけの一つです)。
少女の美しい声で、実に青臭い内容の歌詞をこんなにも真っ直ぐ歌われてしまうと、しかもノッケから超安定感のあるブラスト・ビートなんか聴かされると、全身のメタル成分と心の柔らかいトコロが激しく震えてしまうんでしょう。
多分、そういう経験をしているのは、僕だけではないでしょう。
もうね、自室のテレビでyoutube観てる時は遠慮なくダラダラ涙を流すきっしょいおっさんと化しています(お嫁ちゃんからは大丈夫?といわれる始末)。
外出中に聴く事も多いのですが、かなり気を張ってないと簡単に目が熱くなってしまって困ります。
HR/HMサウンドで涙した経験といえば、傷心の最中迂闊にもプリティ・メイズ「プリーズ・ドント・リーヴ・ミー」を聴いてしまった時と生まれて初めてメタリカのライヴを観た時など。
Embed from Getty Images心の奥底のナニかを掴まれてしまったのでもはやメタル論や音楽理論、アイドル論?なんかの理屈はどうでもイイ気分ではあるんですね。
ただ、メタル・リスナーとしては自分の中での落とし前というか決着というかモヤモヤにトドメを刺しておく必要もあったわけなんです。
そしてちょっと前の自分と同様にファースト・インプレッションのみで通り過ぎてしまっているメタル・リスナーに「おい!これ見逃したらあかんやつやで!」と伝えなければならないという勝手な義務感も沸き起こってしまっておりました。
メタル・リスナーというのは、僕も含めてメタルに対しそれなりの拘りや矜持を持っている人が多く、順序を追って正しく伝えなければ誤解され余計にベビーメタルから遠のいてしまう可能性もあり得るので、慎重に成らざるを得ません。
ただ単純に「泣けるほどいいから聴いて!」といえば良いとも言えるのですが、それでは恐らく伝えたい事が全く伝わらないのと自分の中で消化不良を起こすことは目に見えていました。
僕、面倒臭いヤツなんですよ。
メタル・リスナーってやつ
メタル・リスナーの感覚や捉え方というのをほんのり紹介してみたいと思います。
もちろん汎用化、一般論化出来るようなものではないんですが概ねの傾向みたいなものです。
01.自分の好みの輪郭を明確に持っている
Embed from Getty Images比較的他ジャンルのリスナーさんよりも多い印象ですね。
しかもある程度音楽的な専門性のある拘りも含まれたりします。
ブラストないのあり得ないしとかクワイアないのってメタルって言えるの?とかクラシック音楽のテイストがないの無理とか単音リフが至高とか歌メロとかいらないしとかGソロないとか聴く意味あんのとかやっぱ指弾きでしょとかツイン・リードでメシ何杯でもイケるとかハーモニック・マイナー・スケールのソロが好きとか、まー様々です。
今やメタルとて細分化が進み過ぎて、カテゴライズの意味は失われつつあると言えるかもしれませんが、この事は自分の好みをより厳密に細分化し、ファンとしての熱量を、先鋭化する行為といえます。
「ザックのペンタ1発の熱いソロとピッキングハーモニクスが胸に刺さるんだわ」
メタル・リスナーは、例えるならある種の部族のようなものです。
各バンドのファン群は集落でしょうか。
この部族はある時期世界的に縮小して絶滅しかけていた事もあって、同族意識と言うか同門を大切にする気持ちがあったりします。
絶滅危惧種だった頃を共に支えて乗り越えた戦友的な。
結果的にアーティストに対するリスナーの忠誠度は高純度化します。
その事は時として他バンドのファンや他ジャンルへの攻撃的なアティテュードとして表れるケースもあるようです。
程度問題ではありますが、愛あるが故の行動である事は間違いありません。
02.音楽的ルーツを探りがち
Embed from Getty Imagesこれも多くのリスナーに共通した傾向です。
あるバンドを好きになったとしたらそのバンド・メンバーがどういった音楽的ルーツを持っているかを調べ、自らもそのルーツを追いかけたりします。
つまり勉強熱心なんですよね(笑)。
そうやって1つのバンドをきっかけに、メタルやハード・ロックの歴史的な変遷、レジェンド・クラスのミュージシャンについて自家発電的に造詣を深めていきます。
または、あるバンドから派生したグループや音楽性を追いかける事もあるでしょう。
僕はナパーム・デスの楽曲に出逢った事によって、カーカスやカテドラルといった派生バンドに目が向き、その事をきっかけにしてエクストリーム・ミュージックの扉を開く事になりました。
実はちゃんとスラッシュ・メタルを聴くようになったのは、ナパーム・デス遭遇以降だったりします。
何れにせよ、メタル界隈のバンド群は点のようでありながら線として追いかける事が可能です。
そして、単なる純粋培養下での発展に留まらず、他ジャンルとのクロス・オーバーも積極的に試されてきました。
そしてまた、新たな音楽大陸に触れ自分の好みを開拓していくんですね。
03.クロス・オーバーは拒否されがち
Embed from Getty Imagesベビーメタルも広義ではクロス・オーバーといえそうです。
が、ここに強烈な独自性がありました。
アイドル界隈でのリアクションは全然わからない、と言うか知りようがないのですが、メタル・リスナーのリアクションはなんとなく想像出来ます。
何コレwwwまたイロモノ企画出てきたwww
発端がアイドルグループなので、どうしても一旦はそう思いがち。
恥ずかしながら僕もそうでした。
メタル・リスナーにとってメタルは、歌唱力やダンス・センスが必須条件ではありませんでしたから、取っ掛かりとして演奏力、サウンド・プロデュース、 曲そのものに意識が向きます。
そこで改めて聴いてみると、それまで聴いた事のない音楽世界が広がっているコトを知るわけです。
てことはどうなるか。
判断できない→だからこんなのメタルじゃない
恐らくこういった反応って掃いて捨てる程氾濫していたんじゃないでしょうか。
理由は明らかで、それまでのメタル・フォーマットには適合しない仕立てになっていたからです。
しかも、ぶっ飛び過ぎていたんですね。
メタル・リスナーが愛し大事にしてきたメタルの魂はこんなモノじゃない、という反発は想像に難くありません。
それはソレでその通りです。
つまり、それまでのメタルの物差しでは測り切れないエンタテインメントが登場してしまったという事です。
これはアイドルファン界隈から見てもそうなのかナ?と思いますがいかがでしょうね。
従来のメタルの価値はベビーメタル登場によって貶められるものでも否定されるものでもありません。
また逆に、従来のメタルの価値観によってベビーメタルの新規性や独自性が否定されるものでもありません。
如何にメタルを愛しているからといって、新たな音楽性、エンタメ性の登場を攻撃してもいい理屈はないハズです。
Embed from Getty Imagesそもそも、HR/HMの内部においても度々そういった諍いは起こった経緯もあります。
常に新しい境地を開拓するフロンティア・スピリッツは、古くから続く価値観の前で拒絶という攻撃を受けるのが世の常ともいえますね。
スラッシュ・メタルが登場した瞬間は「こんなの音楽じゃない」と言われたものですし、デス・メタルが登場した時は「こんなの音楽じゃない」といわれたものです。
それがメタル界隈内部でもそういわれていたんですよ。
愛するという行為は、時として激しい情動をも内包するもので、自分の大切なもの、聖域を守ろうとするあまり、より排他的で頑なになっていく事もあるんですね。
「好き」の押し付け、ダメ、ゼッタイ
Embed from Getty Imagesネット上で見かけるベビーメタル関連の議論などを観ていますと、どうにも不思議な場面が多くありました。
それは、意見を戦わせているそれぞれがベビーメタルを好きであるにも関わらず「この部分が良い」「このアイデアが秀逸」といった称賛が行き過ぎて、「この部分を理解していないヤツは本質が分かっていない」「メタル・リスナーにありがちな反応、それいってるようじゃまだまだ」といった感じの、ある種良くない意味での選民思想的発想に転化している様子です。
選ばれし民が他の民族を導かなくてはならないという使命感に繋がるものだったら選民思想もウェルカムなのですが、必ずしもそうではないようでした。
それは恐らく、上記の「メタル・リスナーってやつ」にあるようなメタル・リスナーの性質に普段慣れ親しまない人々からのリアクションや、そのリアクションに対する反発などから生まれているんじゃないかなと思います。
でも、ですよ。
好きだ、といっている人に対して「この部分を知った上で好きになりなさい」と指示するのはおかしいような気もします。
どこをどう見ても、どの部分を著しく好きでも、好きは好きでいいじゃん、的な。
例えば、僕がベビーメタルを好きなトコロはこんな感じ。
- SU-METALの踊りながらも歌が全く劣化しないガッツが好き(プロ根性むき出しでむっさ好き!)
- SU-METALのちょっと猫背っぽい姿勢になった時が無性にカッコイイ(ここ数年はほぼ見かけなくなりました)
- 休符のとり方が絶妙(リズム感抜群の女の子達である!もちろんバンドも)
- 自分の価値観を破壊し再構築してくれる
- 神バンドのドラム・プレイの安定感に痺れる(こんなに上手なプレイヤーが日本人である事がなんだか誇らしい)
- KOBAMETAL氏の野望にゾクゾクする(次は何ヤってくれんの!?)
- MOA-METALの笑顔にプロ根性を感じる(ステージ上での表情の切り替えにプロフェッショナルを感じる)
- YUI-METALがカンニバル・コープスを知っていただけで全面応援(ホントか!?という疑問は野暮、いったってだけでOK)
もちろん楽曲の中には、物凄く好きなものもまーまーなものも、それぞれあります。
これはコレで楽しみ方の一つですよね。
「こんな部分も見てみると楽しいよ!」と教えてくださる方もいらっしゃって、僕としては嬉しい限りです。
僕の好みはまあイイとして、ベビーメタルを多くの人が好きになって語り合って、シーンの中で存在感を発揮していく事は楽しいですな。
海外でも好意的に受け入れられ、チャートにも登場し実績が伴っている事は、実に痛快で気持ちよいです。トップ200といえば、メタリカやらガンズなんかが登場するチャートですからね!
この快挙を喜ばずして何を喜びましょうや!
METALアーティストの定義
Embed from Getty Imagesコレは決定的な定義などない、が正解です。
ただ、個人の中では定義があるでしょう。
僕もそうです。
僕の定義はこうです。
- メタル・サウンドのクリエイターである
- メタル・ミュージックのコンポーザである
- メタル・ミュージックのプレイヤーである
- メタルに魂を捧げているw
このルールは僕が思ってるだけです。
昔はそういった方面に人生の線路を向けようとしていた事もあって、地味に拘りを持っていたりして正直面倒です。
でまあ、この定義からいえば、神バンド諸兄とKOBAMETAL氏、がメタル・アーティストに当てはまります。
そういった意味では3人の少女達をメタル・アーティストと呼ぶ事には多少の違和感を感じてはしまいます。
でも、だからナンダ?っつー話ですよね。
先に書いたようにそれまでのメタルの物差しでは測れないエンタテインメントなのですから。
ダンスという要素がメタルに融合可能だとは思えなかった凡愚の僕は、ただただベビーメタルの新しさに驚き感激するばかりなのです。
最後に
Embed from Getty Imagesまたもや駄文を投下してしまいましたが、僕がベビーメタルを好きである事は間違いがありません。
これからもっと好きになっていく予定なので、皆さま宜しくお願い申し上げます。■■
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